スーパーポッタリアンなので、愛を込めて、さるおのハリポタツアーは最大の危機を迎えます!先を読んでいるわけではないので今後の展開はまるでわかりませんが、とにかく、こりゃ間違いなく最大のピンチです。
『DH』の完全ネタバレです。コメント欄も含めて、すごーくご注意ください。
ハリポタ辞典のもくじはこちらです。
「フィニアス?フィニアス・ナイジェラス?」こーゆー呼びかけには反応しませんよ(笑)。
「ブラック先生、来てくださいますか?プリーズ」
あー、来た来た(笑)。
丁寧に呼んでおいて、肖像画内に入ってきたフィニアスに、ハーちんはいきなり"Obscuro!"と目隠しをします。
「ぶわぁーっ、ばかちんがー。この目隠しを取れ!芸術が台無しだ!」と怒るフィニアスに、ハリーは剣に関する質問をします。フィニアスは「その声ミスター・ポッターやん」とハリーの声に気づいています。
「あのバカな小娘が、バカな友達と一緒に校長室に忍び込んで、よりによって校長から盗もうなんて。まぬけなロングボトムも変人のラブグッドもあほやわー。罰として森でうすのろハグリッドの手伝いなんかさせられてやんのー」と偏見丸出しで遠慮を知らないフィニアス(笑)。
「妹をバカって言うな。」by ロン
「ネビルはまぬけじゃないし、ルナは変人じゃないし、ハグリッドはうすのろじゃないわ!」by ハー
「ハグリッドと森に入るぐらい、ジニーたちにとっては屁だよ、屁。もっと怖い思いしてるんだもん」by ハリー
フィニアスはまぁ、失礼極まりない話し方ですが、これは彼の"芸風"なので怒ってもしょーがない(笑)。ハーが、剣が校長室から外に運び出されたことはないかと質問すると、フィニアスはこう答えます。
ゴブリンメイドの鎧兜は手入れの必要がない。ゴブリンの銀は汚れをよせつけず、(剣を)強くするモノだけを吸収する。つまり、クリーニングなどメンテナンスのために校長室から持ち出されたことはないと。
フィニアスと波長が合わないハリーは「ダンブルドアを呼んできてよ」と頼みますが、フィニアスは無理だと答えます。歴代校長たちは、"自分の肖像画"間でしか移動できないんですね。そしてフィニアスは校長室に帰ろうとする。すかさずハーが呼び止めます。「ブラック先生、ジニー以前で、剣が最後にガラスケースから出されたのはいつかな?」
するとフィニアス、あっさりとこう言います。「ダンブルドアが指輪をぶっ壊したときじゃん」
ぐわぁーっ!
もういいかげん帰ろうとするフィニアスに、ハリーは慌ててこう聞く。「そのことスネイプに話した?」
「スネイプ校長は他のことで忙しいんだよ。さようなら、ポッター」
あー、行っちゃった。
ハリーとハーは大コーフンでしゃべりまくります。
「グリフィンドールの剣でホークラックスが壊せるのよ!ゴブリンメイドの刃は、それ自身を強く変えるモノだけを吸収する。バジリスクの毒も吸収したのね!」「ダンブルドアは剣をぼくにくれなかった。まだ自分にそれが必要だったからだよ!ロケットを壊すのに使おうと思ったんだ!」「彼は、政府が簡単にはあなたに剣を渡さないだろうと見抜いてた」「だからニセモノを作ったんだ!」「そしてニセモノを校長室に置いたのね!」「ホンモノはどこかに隠したんだよ!」「考えるのよ、ダンブルドアが剣を隠した場所を!」「ホグワーツじゃないよ」「ホグスミードはどう?」「Shrieking Shackかも!」「あそこは違う。スネイプが入れるもん」「でもダンブルドアってスネイプのこと信じてたじゃん」「剣のヒミツを話すほどじゃないわ」
"ダンブルドアは剣のヒミツを打ち明けるほどにはスネイプを信用していなかった"という考えに、ハリーはちょっとだけ嬉しくなります。
「どこだと思う?ロン?ロンちん?」
あぁ、ここから先、トリオ最大のピンチです。ロンはロケットを首にぶら下げています。さるおは胸がつぶれる思いっす。
「やっとぼくのこと思い出した?ふたりでどうぞ続けて。楽しみを壊したりしないよ」「なんだよ」「べーつに」「なんだよ、言えよ」「んじゃ言ってやるよ!ぼくは一緒にはしゃぐ気になんてなれないね。腕はずたずた、食いもんはねーし、夜は凍えて、それでも何か達成できるって、それだけを望んでたんだ。なのに、いまだに何にもわかんないことだらけじゃん!」
雨音が聞こえる。なんだか哀しくなってくるなー。
「ロンちん、やめれー」ハーが静かに言います。
「どういう挑戦なのかちゃんとわかってて一緒に来てくれたんだと思ってたのに」「ぼくだってそう思ってたさ」
ハリーも、だんだん怒りが込み上げてくる。
「ほんなら何が問題なんだよ。五つ星ホテルに泊まれるとでも思った?毎日ホークラックスをひとつづつ順調に見つけられると思った?クリスマスになったらママのところに帰れるとでも思ったのかよ?」「自分が何をしてるかくらい、わかってると思ってたんだよ!」
ロンの言葉が、鋭いナイフのようにハリーの心に突き刺さる。
「ダンブルドアがきみに何をすればいいか言ったはずだって、ぼくらは思ったんだよ!ちゃんとしたプランがあると思ったんだよ!」
「ロンちん、やめれって!」ハーが、今度ははっきりと言いますが、怒っているロンは聞かない。
「ぼくはずっと、ほんとのことを、すべてのことを、きみたちに話してたんだ。ダンブルドアが話したこと全部。何にも隠してないんだよ。言わせてもらうけどさ、少なくとも1つは見つけたじゃんか」「そうだな、1つ見つけて、あとは残りを探すだけだよな。言い換えれば、1つしか見つけてないってことじゃんか!」
「ロンちん、いいからロケットを外して。そうすればこんなこと言わずに済むよ」ハーは"ロケットのせいで"喧嘩するなんて嫌なんです。ところがハリーももう止まらない。
「ロケットがなくたってどーせ言うさ!きみたちふたりでこそこそ話してるの、ぼくが気付いてないとでも思ってんの?いつかこーなるんじゃないかって、ぼくが考えなかったとでも思ってんの?」「ハリー、そうじゃないのよ・・・」「嘘つくなよ!自分だって言ったじゃん、がっかりしたって!ハリーはもっとこれからのことがわかってるのかと思ったって、言ったじゃん!」「そ、そーゆーふーに言ったんじゃないのよ、ハリー・・・」
雨がテントを叩きます。ハーも泣いてるけど、さるおも泣いてます。とっても暗くて、とっても寒くて、とっても惨めな気持ちになる。剣の行方はわからず、テントには世間から取り残された3人のティーンエイジャー。もうずっと、このままになってしまいそうな、哀しい気分です。
止まらないハリー。「そんな文句言うんなら、なんでまだここにいるんだよ。帰りゃいいだろ」
あーあ、言っちゃった。
「帰るさ!ミスター"ハリー・ボクが一番大変なんだ・ポッター"は、もう妹の心配もしやしない。ぼくは心配だね!"ウィーズリー家にはもうたくさん"な怪我人も心配だね!家族の心配をしなくていいきみたちふたりにはどうせ関係ないことさ!」「ぼくんとこは両親死んじゃったんだぞ!」「ほんならぼくの両親も死ぬかもな!」「帰れよ!帰ってママのごはんでも食ってろよ!」
ロンが突然動き、ハリーもポケットに手を入れる。でもハーが杖を構えるほうが速かった。"Protego!" 目に見えないシールドが、ハリーとロンの間に広がります。
にらみ合う、ハリーとロン。嫌悪が、心に食い込む。
ハリーとロンの間にあったかけがえのない何かが、壊れてしまった。
「ホークラックスを置いてけよ」
ロンはロケットをはずし、近くの椅子の上に置きました。
「ここに残るつもり?」「私は・・・私は残る。ロンちん、言ったじゃない、ハリーと一緒に行こうって。ハリーをたすけようって・・・」「わかったよ。ハリーを選んだんだな」「そうじゃない!行かないで、ロンちん!戻ってきて!」
ロンはすたすたとテントを出て行きます。ハーが追いかける。「ロンちーん!」
戻ってきたハーが泣き崩れます。ロンは、テントを出てプロテクションを越えると、瞬間移動で去ってしまった。
ふたりきりになってしまいました。トリオ最大のピンチ。
雨はいっこうにやみません。
【メモ】
"Obscuro!"は目隠しをする呪文です。
心ゆくまでさるお、もんち!