2010年11月10日

The JIGSAW UNIVERSE

さるおです。
ネタばれ記事です。ネタばれコメントも大歓迎です。これからご覧になる方は気をつけてねー。

『SAW 3D』を観て、さるおのSAW体験を書いておこうという気持ちになりました。閉店商法はまぁそれはそれでいいとして、いつも以上に最後最後と言ってるわけだしな。

このシリーズは最初から観ています。ただ、残念なことに(よりによって!)オリジナル『SAW』だけが、お茶の間観賞なのです。今思えば、1つ目だけが劇場、あとはお茶の間、ということになっていないのはなぜなのだ、と我が身を呪ったりしているわけですが(笑)。
2004年(さるおの場合は2005年3月)の『SAW』は衝撃でした。巧すぎて泣いてしまいました。それ以来、毎年欠かさず劇場に足をはこんできました。
いちばん好きなのはオリジナル『SAW』、いちばんすごいのはオリジナル『SAW』、たとえ他のあらゆる映画作品と比較したとしても、いちばんと言えそうだと思うのはオリジナル『SAW』です。群を抜いている。もちろんシリーズ内でオリジナルに匹敵する作品も存在しません。
静かに息をしないと負けてしまいそうな閉塞感、想像の追いつかない"ひねり"、最小限の登場人物、聞き逃したり見逃したりしたら終わりだという緊張感、そしてパズルが仕上がる爽快感と絶望。そこには必要なものすべてが揃っていました。足りないものも、過剰なものも、一切存在しませんでした。
さるおはたぶん、知恵比べが好きなのです。そして、さるおにとってオリジナル『SAW』は、とても特別な映画なのです、きっとずっと。
次点は3作目、続くのは2作目だろうと思います。

ジェームズとリーが大きく関わっているのは、結局ここまでなんすよね。
2作目はダーレンとリーの脚本で、ジェームズは制作側にまわった。そしたらやや危うい感じになっちゃったので、3作目では再びオリジナルの最強コンビが物語を書いた。
で、4作目以降、コンビは制作にクレジットされているだけ。つまり、フランチャイズ化したわけです。
そしたらとたんに、それまで忠実に貫いてきたメインテーマを失ってしまった。

雑に扱われ、浪費され、目的を失った、感謝されることのない多くの命。それがどれほど儚く、どれほど価値ある大切なものか、人々に気づかせる。
A vital piece of the human puzzle. The survival instinct.
人間パズルの最後の1ピースを、生きるという本能を、残された短い時間のすべてを使ってジョンは探していたんすよね。

Congratulations. You are still alive. Most people are so ungrateful to be alive. But not you. Not anymore.
おめでとう。キミはまだ生きている。ほとんどの人間が生きていることに感謝しないが、それはもはやキミのことではない。

これが、ジョンにテストされるすべての人のゴールだったはずなんです。
そのゴールに辿り着くために、人々は、己の血を流す。それが『SAW』のはずだった。

ところが、4作目以降のテーマはこんな感じ。
もしもし、そこの反省すべき点のあるあなた、あなたがたすけることができなければ、あなたの周りの人を皆殺しにしますよ。

ジョンが泣いています。ファンも泣いています。
もしも願いが叶うなら、2007年の正月あたりに時間を戻し、『SAW IV』を最終章として作り直していただきたい。ジョンは4という数が好きだったから、ちょうどいいだろう。
3作目の時点で残っている謎の答えを、4作目でおしえてくれれば、完璧だった。フランチャイズ化なんて欲張らずに、美しく恐ろしい伝説になれる引き際を知っていればよかった。
欲張りすぎと言えば、最終章は事前にぜーんぶネタバレしてしまいました。こんなに情報出すなんてオカシイぞ、さては目くらましだなー、そうとうすごいいちばん大事な究極のネタが隠れてるぞー、と思ったのですが、ぜーんぶ出てた(爆)。ゴードンせんせが、とか、恐ろしいヒミツが、とか、新たな恐怖の波が、とか、言えば客が入ると思っている。やはり回を重ねるごとに、浅ましくなってしまいました。
これはとても悲しい。ジョン・クレイマーが掲げたテーマは深遠な思考に基づく情熱的なものだったのに。
もったいねぇ。

もちろん、4作目以降のつまらなさを差し引きしても、3作目までのおもしろさの方が断然大きい。総論として、大好きなシリーズであることに変わりはありません。
だから最後に、観たかったモノが観られて、素直に嬉しい。これも嘘ではありません。

『SAW 3D』のオープニング。バスルームを出たゴードンせんせが真っ白な顔で這いずり回る。それは6年間待ち続けた、とてつもないシーンでした。
傷口を焼いてしまうというのも、この方法があったか!という驚きと、もう1回痛い思いしなきゃなんないのかーという衝撃で、ちょうどエリックが足を潰したときとよく似た心拍数になりましたよ。1作目と違い、這いずっているシーンも含めて切断された足は"マンガ"になってしまい少し残念でしたが、それでもやっぱりコーフンしました。
Hello, Mr. Hindle... or, as they called you around the hospital, Zep.
ジョンの声が聞こえる。
これも、なんというオープニング。話がはじまる前から涙が出てしまいましたよ。
アマンダ用のヘッドギア。再生の象徴。あのマシンだけは再生専用であってほしかったんですが、処刑に使われてしまって残念っす。でも、2つ並べてあってホフマンがそっちを選ぶというのは、マニアに気を遣ってくださってるわけで、やっぱりこれも嬉しかったです。
ゴードンせんせがブタマスクをとるエンディングでは、Hello, Dr. Gordon. とさるおも思いました。
どうせゴードンせんせが仲間だっちゅー話なんだろー、とわかっていようがいまいが、このジョンの声が特別であることに変わりはなく、さぁ思い出のバスルームにまいりましょう、という気持ちになる。バスルームに"帰ってきた"という感動は、2作目のラストや3作目のオープニングが強烈だった。けど、バスルームというのはゴードンせんせが帰ってくるべき場所なわけで、オリジナル『SAW』のときと同じように蛍光灯がぱちぱちと点くと、4作目以降ずっと待ってたよーなんて、また感動するわけです。
I showed you a lot of places, but there will be one perhaps the most meaningful for you.
多くの場所を見せたが、あなたには、おそらく最も意味のある重要な場所があるだろう。
ええ、ありますとも!ただいま!おかあさーん!

バスルームは、閉じこめる側からすると、足枷をして置き去りにする、そのためだけの場所です。でも逃げる側からすると、切ったり潰したり、いろいろやってる。で、『SAW 7』ではどうだったかというと、ゴードンせんせはホフマンからのこぎりを取りあげてしまいました。
I don't think so.
そうかいくか、と。
すばらしい!ゴードンせんせはホフマンから、チャンスを奪ったわけです。このセリフにはときめいてしまいましたよ。

バスルームではじまり、バスルームで終わる。
とりあえず、終わったな、と思う。閉店商法かどうかは時間が経たないとわからないけれど(笑)。

Hello, Dr. Gordon. You are perhaps my greatest asset.
ハロー、ゴードンせんせ。あなたはおそらく、私の最高の宝だ。

ゴードンせんせは立派な後継者です。気が向いたら、あとはよろしくお願いします。

心ゆくまでさるお、もんち!

2010年11月06日

『SAW 3D』(SAW VII) 解読5 ブタの家族がブタになる理由

さるおです。
ネタばれ記事です。ネタばれコメントも大歓迎です。これからご覧になる方は気をつけてねー。

次はお母さんブタと子ブタ。

まるまる太ってお元気そうなゴードンせんせは、社会復帰していました。病院でちゃんと働いていましたよ。
ということは、家族と再会できてるんだよね。
アリソンはだんなを探してケーサツや病院関係に網を張っていたはず。で、病院だってある日突然片足の外科医が求人に応募してきたらそりゃいろいろ聞くだろうし、あ、ひょっとしてこの人、行方不明とかの、アレかな、なんてことになればゴードンせんせは必ずケーサツのお世話になるのです。だから、人知れず社会復帰できて誰にも詮索されずに済む、というわけにはいかないっすよねぇ。
ゴードンせんせは『SAW』のあと、ケーサツにも行ってるし、家族とも住んでる。要はごく普通に社会生活を営んでいるはずなんです。

ではなぜ"バスルームが発見されていない"のか、というと、これはもう、"ゴードンせんせの口が堅いから"に他ならない。そしてゴードンせんせが口を割らない理由は、ジョンについたから、なわけっすよね。
ゴードンせんせは、ジョンの洗礼を受けました。意識のないせんせを抱き起こしてジョンが頭に水をかけるシーン、あれはもちろん、洗礼です。
ジョン(ヨハネ)というのは使徒ヨハネのことなのか、でも、干支とか言ってるくらいだからそーゆーのは関係ないのかな、なんて思ってましたが、これはもう明らかに洗礼者ヨハネっすね。

余談ですが、マタイの福音書3章によると、洗礼者ヨハネさんはラクダ皮の衣を着ていた人らしい。で、ヨルダン川あたりで「悔い改めよ」なんつって、イエスさんを含め、人々に、罪の赦しに至る洗礼を授けていた。イエスさんより先輩の預言者なんすね。イエスさんの最初のお弟子さんだと言われているシモン・ペトロさんとアンデレさんは、もともとヨハネの弟子だった、ということになっているようで、大物感が漂いますよ。領主とごたごた揉めた結果、首をはねられて死んでしまいました。
現代版はブタだNE!
さて、旧約聖書に出てくる予言です。
見よ、私はあなたより先に使者を遣わし、あなたの道を準備させよう。荒野で叫ぶ者の声がする、主の道を整えその道筋をまっすぐにせよ、と。
ジョン・クレイマーはたしかに荒野で叫んでいたんだよなぁ、と切ない気持ちにはなるものの、はちきれんばかりに太ったゴードンせんせはぜんぜんイエスに見えないということで、切なさ倍増。

ゴードンせんせは、"何が何でも家族を救おうとする体験"をした。そのために自分はどんな犠牲でも払えるという体験をした。で、世話してもらって、義足つけてもらって、ストックホルムシンドロームの可能性はあるものの、とにかくおそらくゴードンせんせは生まれ変わった。よーし、ブタをかぶるぞー。
ここで社会復帰です。
ジョンはあっさりと外に出してくれただろうと思う。すでに絆はできていて、ジョンは"信じる"人間だからです。そして何より、ジョンが設定したゴードンせんせのゴールは"家族"なのだから。

ケーサツには、「何も覚えてないんだよぅ」なんて言ったのかな。
で、おうちに帰って、アリソンやダイアナちゃんと再会。何を体験し、何を得たのか、話しただろうと思います。
ここで問題なのは、アリソン(とダイアナ)がどう聞いたか、っすよね。
そしてそれは、本当は、アリソン(とダイアナ)もまたゲームをやっていたかどうかに懸かっている。
けれどまぁ、これはさるおの希望っす。『SAW』を観たかぎりでは、アリソン(とダイアナ)はプレイヤーには見えない。ゴードンせんせのゲームのために利用された被害者に見えました。
でもまぁ、ゲームであろうがなかろうが、アリソンがダイアナを守り抜いて生還したのは確かです。そう、彼女たちも極限状態を、死にもの狂いで生き延びたんすよね。
だからね、わかると思うんです、だんなの言っていることが。だんなが、何を体験し、どんな犠牲を払い、何に生まれ変わったのか。
そしてそれは、家族の再生に他ならないわけです。家族がひとつになった。ゴードン家が手に入れたゴールっすね。

Hello, Dr. Gordon. You are perhaps my greatest asset. Without you, my work over the last few years would not have been possible. That having been said, I have a request. Watch over Jill and should anything happen to her, I want you to act immediately on my behalf. In return for that, I will keep no more secrets from you. I showed you a lot of places, but there will be one perhaps the most meaningful for you.
ハロー、ゴードンせんせ。あなたはおそらく、私の最高の宝だ。あなたがいなければ、ここ数年間にわたる私のシゴトは不可能だった。その上で、お願いがある。ジルを見守って、そしてもし彼女に何か起きたら、私のかわりに動いてほしい。あなたにヒミツしていることは何ひとつ無いと約束するから。私はあなたに多くの場所を見せたが、あなたには、おそらく最も意味のある重要な場所が、1つあるよね

私の最高の宝。堅い絆っすねー。
あなたにヒミツしていることは何ひとつ無い。堅い絆っすねー。
Watch over Jill.
素晴らしい。『SAW』というタイトルはちゃんと生きてます。
ジルを見といてね。
ゴードンせんせは、ジルをたすけろと言われたわけではない。ジョンは、あくまでも幕引きをジルに託したからです。
I promise you, when all this is done, I will provide a way out for you.
すべてが終わったら、キミには出口を用意すると約束する。
出口はヘッドギアでした。これでホフマンを葬るはずだった。ところがジルはしくじってしまいます。そしてそれは、あり得ることだった。
It leaves nothing to chance.
偶然の入り込む余地などない。

だからジョンはゴードンせんせへのビデオを遺し、ジルには、行動する前に届けさせた。
そしてゴードンせんせは家族に言うわけっす、ブタレンジャーになろうと。私を、私たち家族を、救ってくれた人の遺言を実行しに出かけよう、と。

This little piggy went to market,
This little piggy stayed at home,
This little piggy had roast beef,
This little piggy had none.
And this little piggy went...
'wheee' all the way home.

伏線はすでに、オリジナル『SAW』にありました。だからわたくしはブタレンジャーはゴードンファミリーというのを切望。

心ゆくまでさるお、もんち!

2010年11月05日

『SAW 3D』(SAW VII) 解読4 奥さんたすけられたのにぃ

さるおです。
ネタばれ記事です。ネタばれコメントも大歓迎です。これからご覧になる方は気をつけてねー。

あまりに天才的なコメントを先ほどいただきましたので、ブタレンジャーの話の間に割り込みます。
ボビーはヘタレでした。でも、ジョイスはとても簡単に救えたじゃん。ヘタレが極限でテンパったら、あんなもんだろうとはわかりつつ、おまえはじつにヘタレだ。

こちらのコメントをご覧ください。
2010年11月05日 16:53です。

ま、目からウロコが落ちてしまったあたり、わたくしもまたヘタレ。
友の会に入ろうと思います。

心ゆくまでさるお、もんち!

2010年11月04日

『SAW 3D』(SAW VII) 解読3 ブタになる理由

さるおです。
ネタばれ記事です。ネタばれコメントも大歓迎です。これからご覧になる方は気をつけてねー。

さるおがブタ家族だと書いた理由を、2つの記事に分けて説明してみようと思います。まずはお父さんブタから。
もちろん、解読はオリジナル『SAW』までさかのぼりますよ。

『SAW 3D』にこんなセリフがありました。
Congratulations, Dr. Gordon. You survived.
(おめでとう、ゴードンせんせ。あなたは生き延びた)
これを聞いて思い出しました。オリジナル『SAW』を観たときの、ゴードンせんせは勝ったのか負けたのか、という疑問を。
おめでとうと言われると、勝ったような気がする。では、バスルームにおけるゴードンせんせのゲームのルールは何だったか。"生きてバスルームを出る"というのが、ゴードンせんせの勝つ条件だっけ?

Your aim in this game is to kill Adam. You have until six on the clock to do it.
There's a man in the room with you. When there's that much poison in your blood, the only thing left to do is shoot yourself.
There are ways to win this hidden all around you. Just remember, X marks the spot for the treasure.
If you do not kill Adam by six, then Alison and Diana will die, Dr. Gordon, and I'll leave you in this room to rot.
Let the game begin.
Follow your heart.

このゲームにおけるおまえの目的は、アダムを殺すことだ。制限時間は6時。
そこに倒れている男は、体中に毒がまわり耐えられずに銃で自殺した。
ゲームに勝つ方法はあちこちに隠されている。X印は宝のありかだ。
もし6時までにアダムを殺さなければ、アリソンとダイアナは死ぬ。そして、ゴードンせんせ、私はおまえをここに置き去りにする。
ゲームを始めよう。
ハートに従え。

これがゴードンせんせへのテープです。
今読み返すとまたいろんなことがわかるなぁ。ちょっとそれも書いておきます。
「目的は、アダムを殺すことだ。ところで、その真ん中の人は自殺したよ」
これは、どーにもならなくて勝つことができない、というのがつらいなら、自殺してゲームを降りるという手もあるよ、と言っているんすね。続く言葉のX印は宝箱には、たしかに毒を投与するためのタバコや銃弾が入ってました。そしてそれらは、ゲームに勝つためにも、ゲームを降りるためにも、使える。
見事っすねぇ!
そしてこうです。
「私はおまえを置き去りにする」
今このバスルームに犯人がいないなら、"置き去り"にはできない。犯人がバスルームにいるから"置き去り"にできるんだ。
つくづく、見事っすーっ!
こうなると犯人は、アダムか死体のどちらかしかないわけで、アダムを殺せということならもう、死体よあんたが犯人だ、ということになる。
見事すぎ。そして、それに今気がつくわたくしは、見事じゃなさすぎ(泣)。

本題に戻ります。
ゴードンせんせが勝つ条件というのは、6時までにアダムを殺すこと、のように思えます。
だとすると、足を切ろうが腕を切ろうが首なしドクターになろうが、おめでとう、ということにはならない。
"ここで死ぬか、どーにかするか"というざっくりした二者択一を与えられたアダムであれば"生き延びた"というのは大勝利だと思うけどなぁ。

ここまで考えて、また気になることが出てきました。
『SAW V』でジョンはホフマンに殺人は不快だ(Killing is distasteful to me!)と言っているんすね。"人殺ししろ"なんてジョンらしくないのです。しかも、ゴードンせんせが言うことを聞いてあっさりとアダムを殺してしまったら、アダムのチャンスを奪ってしまうことになる。これはジョンの主義に反するのです。
(もちろん、ジョンはアダムのチャンスを奪わないように手は打った。ゲームの手がかりのいくつかはアダムの周辺にあったからっす。アダムにとっての勝利法は、第1にバスタブに流れた鍵、第2に殺されないこと、そして最後に足枷からの脱出だったわけっすよね)

Every day of your working life you have given people the news that they're gonna die soon. Now you will be the cause of death.
おまえは毎日、あなたはもうすぐ死ぬと人々に言っている。今はおまえ自身が死因そのものだ。

日々平気な顔で死の宣告をしている、と咎めた直後に、アダムを殺せ?
そうか!これはよく考えると、逆の意味かもしれないのです。
アダムを殺せと言われたら、考えもせずにおまえはそれができるのか?ちがうだろ?そうじゃないだろ?よく考えて、良心に従えよ。
そう言っているんじゃないか。
Follow your heart.
じつはこれがいちばん大事。これこそがルール。ハートのマークを探せというヒントであると同時に、良心の命じるままに従え、という意味じゃないかな。ハートを探して、そこから出てくるのはのこぎりなんだよね。アダムを殺すのではなく、のこぎりを使ってでもここから出ろ、という意味なんじゃないか。

厳密には、6時の時点でアダムが生きているためにゼップはアリソンとダイアナを殺そうとしました。そしてその後、ゴードンせんせのことも殺す予定だった。だから厳密には、おめでとうでは済まない。
いや、ジョンという人間が妥協をしない厳密な人間だということはわかっています。だから少し行動するのが遅かったゴードンせんせは決して勝ってもいない。
また、そもそもゼップへの指示内容は主義に反するはずなんだけれど、これはターゲットがローレンスだという理由に尽きる。たとえ自分が大きな犠牲を払おうと、家族に忠実に振る舞えるかどうか。あるいはそれを、失うか。厳しいゲームをやっているわけっすからね。

もちろん、6時より前に足を切断しアダムを殺さずにバスルームから出たとして、ゴードンせんせは自力で家族を救いに行くことはできないっすから、仮に自分はたすかっても家族は失ってしまう。でもジョンが起き上がるのは6時をすぎてからなので、頼みの綱はアマンダとか、救済措置はあったはずっすよね。ま、この展開だとどーなるのか、それは確かめようもないので、こう考えてみたりもしています。ジョンのゲームのクオリティは発展途上だっただろうと。
セシルの場合、セシルの人間性を見越していたジョンの立ち位置からして、巧妙な処刑の雰囲気でした。カミソリワイヤーのポールや、ろうそく片手に金庫のカギの番号を探さなくてはならなかったマークのゲームだって、生き延びるのは不可能に近い。きびしすぎるな、みんな死んじゃうな、ということでアマンダには甘くなりすぎ、彼女は無傷で生還。今度はぬるすぎたな、ということで、バスルームはこんな感じでやってみたけれど、片足でどぼどぼ血ぃ流しながら家族をレスキューはさすがに無理かぁーと。そして徐々に、殺すか殺さないかじゃなくて、赦すか赦さないか、救えるかどうか、あと、たすけ合うとか、そーゆーテーマに移行して行くと(笑)。
少なくとも、あっさりアダムを殺せるようじゃ、自分の足は切れない。他人の命を軽く考えているままで自分の足ののこぎりを当てたら、そのギャップにには耐えられないからです。痛みや恐怖に負けてしまうからです。命の重み、失う恐怖、足を切ってそれがわかったから、ゴードンせんせはアダムを殺さなかった。最後の最後に、良心を貫いて闘い抜いたんすよね。

ゴードンせんせは、家族がキケンにさらされていると知って自分の足を切断した。救いたい一心で、家族に会いたい一心で、痛みや恐怖などどこかへ吹っ飛んでいったんです。自分のことなど考えもせずに、家族をたすけたい一心で、夢中で足を切断した。
ゴードンせんせだけが、本当の意味で、ゲームを生き抜き、学んだんだろうと思います。家族を守り、愛することを。自分にはそれができると知ったんだろうと思います。それがどんなものか、守り愛することがどんなものか、初めて実体験したんだろうと思うのです。彼は、死にもの狂いで精一杯やり遂げた。これが家族というものか。これが命というものか。
実際は、アリソンとダイアナは自力で生き延びてくれました。家族のためにバスルームから出る、これこそが、ゴードンせんせに用意されたゴールだったんだなぁ。
何が何でも家族を救おうとする体験。そのために自分は犠牲を払えるという体験。たしかに、それはかけがえのないギフトだろう。極限状態の中で背中を押されて、手に入ったときの衝撃は、まさに"Mind-Blowing"だっただろう。

ジョンは、ゴードンせんせを一所懸命に介抱したと思います。褒めていたと思います。アマンダの時のような師弟誕生とも違う、特別な絆ができあがっただろう。

だから、ゴードンせんせがブタマスクをかぶるのは、当然のことなんすね。
唯一の、正真正銘のジグソウ後継者。
すんばらしい!

ゴードンせんせはアダムをたすけたかどうか。
気絶しちゃってたし、次のシーンではジョンに義足つけられてるし、ほんとのところはわからない。
けれど、たすけようとしたはずです。さるおは、たすけたと思う。

心ゆくまでさるお、もんち!

2010年11月02日

『SAW 3D』(SAW VII) 解読2 さ・ば・い・ぶ!

さるおです。
ネタばれ記事です。ネタばれコメントも大歓迎です。これからご覧になる方は気をつけてねー。

今作で一連のゲームの主役になったのはボビーです。ほんとはゲームなんてやったことないのにサバイバーのフリして、偽の"サバイブ体験"をネタに本出したりセミナーやったり、儲けてやろうというダメ男っす。
さるお的にはですね、時系列で言えばこのお話は『SAW II』の後か、遅くとも『SAW V』の後くらいの時間軸で、作品の順番でいえばこれが『SAW IV』あたりならよかったのに、と思う。今ボビーか、大トリがボビーか、と思うわけ。
理由はふたつで、ひとつはあまりに地味だから(笑)。
もうひとつは『S.U.R.V.I.V.E. - My Story of Overcoming JIGSAW -』という本が、ジョンがまだずいぶんと元気なときに出版されているからです。もちろん、正確な時期はわからない。けどあの元気さは、『SAW II』より前だよねぇ。
すると時系列はこうなります。

2004年4月28日  ポールのカミソリワイヤー(3週間後に警察が現場発見)
2004年6月14日  マークの引火性ジェル+ロウソク持って金庫開け
2004年7月17日  放火事件(火曜なら01年か07年なので全体がズレます
(2004年7月中旬 歯科医(ゴードンの近所)を逮捕)←ジェフだといいな
2004年7月23日  アマンダのヘッドギア

2004年7月末(?)  ドリル男ジェフ、シン殉職、タップ喉切り、ジョン逃走
2004年末〜2005年はじめ  バスルーム(アマンダのヘッドギアから5ヶ月)

この8〜9ヶ月間に行われたゲームはもっとたくさんありそうっすね。ボビーがケイルと一緒にバーで飲んでいて、テレビに映るひとりのサバイバーがステキなこと言ってるぞ、これネタにして商売やろう、と思いつくシーン。あれは本の発売時期から推測して、おそらくアマンダのヘッドギア以前の3ヶ月間のできごとだろうと思うのです。

さてここで、『S.U.R.V.I.V.E. - My Story of Overcoming JIGSAW -』発売。
サイン会でジョンとボビーが会って、縁起の悪そうな会話(笑)をする。
このサイン会のシーンでみなさんが何を着ているかというと、ジョンはTシャツの上にパーカー、ジーンズにキャップ、防寒着はありません。ジョイスらしき人物は膝丈のスカートにブラウスとカーディガン、薄手のセーターの人や、少し襟ぐりの開いた服の人もいる。みなさんだいたい、軽めのシャツ類にもう1枚羽織っている、そんな感じです。いい季節っすね。真夏や真冬ではありません。
ということは、たとえば7月末にさっそく原稿を書き始めたとして、翌年春か、初夏の出版。行動開始から1年かからずに発売とサイン会にこぎつけている、ということになります。

2005年7月下旬  マイケルの目に鍵ゲーム(バスルームの7ヶ月後)
2005年7月下旬(?)  屋敷で8人集団ゲーム/エリックの我慢ゲーム

ここで、少なくとも2冊、別のジグソウ本が発売されていることが、『SAW IV』を観るとわかります。
TIM BLAKE著のドキュメンタリー『JOHN KRAMER AKA JIGSAW -IS HE THE MURDERER THE POLICE SAY HE WAS-』 と、雑誌のように見える『MODERN CULTURES』(DET. ERIC MATTHEWS、IT'A ALL IN THE TRAPS、influential criminal mastermindsなどの特集を組んでいる)です。
ははーん、そーゆーことですね。ボビーがすでに動き出していたからなんすね。
『S.U.R.V.I.V.E. - My Story of Overcoming JIGSAW -』が発売されて、話題になっている。おそらく『友の会』もすでに発足していて、こちらも注目されている。プレー経験があろうがなかろうが、恐怖と一体のジョン・クレイマー的道徳観を、街の人々はそれなりに理解しようとしている、その状況だからこそ、殺人ゲームが"啓蒙活動"としてカルチャー扱いされているわけですね。ま、言ったって、キワモノカルチャーだけどな。

この時間軸があっていれば、やっぱボビーのゲームはこのへんでやらないとオカシイんじゃないか。最終章じゃねーよ、と言いたい(笑)。

ジョンにとって、なんというか、思い入れというか、大事な被験者というのはいたと思うんすよね。
筆頭はもちろんゴードンせんせで、これはジョン自身の究極のターゲットだったと思う。で、これに匹敵するのはウィリアム・イーストンのはずです。このふたりは、やっていることが同じなんだよね。人をモノのように扱って、勝手に作ったセオリーに無理矢理あてはめ、そのセオリーを理由に死を宣告する。しかも、医療と保険というのは、システム上の共犯関係です。
もうひとりいるとすれば、我が子を失うという似た悲劇に見舞われながら未だ自分の人生の軌道に戻れず家族に犠牲を強いていたジェフ・レインハルトかと思うんだけれども、そもそもリン・デンロンを推薦したのはゴードンせんせであり、それはアマンダを再テストするためだった。ということは、やはり愛弟子アマンダなわけです。これがジョンの3大ターゲット。
同じように、アマンダの世界について考えれば究極のターゲットであるエリック・マシューズが最重要になるわけで、素晴らしい入れ子構造なのですが。

ゴードンせんせ、アマンダ、ウィリアム・イーストン。
もちろんここにボビーを入れるのはいい。ボビーのゲームはたとえば1作目『SAW』のような因果応報ゲームっすから、そこに美学もある。けどね、ボビーのゲームを後回しにする理由も見当たらず、お仕置きするなら『友の会』発足直後であり、それはウィリアム・イーストン以前でしょ、と思うわけです。
ゴードン、アマンダ、ボビー、ウィリアム・イーストン。この順番が自然。

けれど実際は、『友の会』は発足してからしばらく経ってるみたいっす。ミーティング内でのやりとりを聞くと、シドニーは脱・カレシ依存に成功してある種の達成感を持っている一方で、片腕まるまる切り落としたシモーヌは怒っているように見え、いわゆる"まだ"混乱している状態だとグルに診断されている。なるほど、シドニーは立ち直ってきていて、シモーヌのほうは新入りだということなんすね。マリックの入会時期とか、ウィリアム・イーストンにつきあわされた人たちの入会時期もわからないわけですが、とにかく、みなさんの姿が確認できる。
ボビーはゴードンせんせを"自分より長くあーしているんだ"(He's been around longer than I have. He's fine.)と言っている。"around"というのは、周囲にいたとかうろついてたという意味なので、ボビーが『友の会』をやろうと言った頃、ゴードンせんせの方からボビーひとりに会いにやって来たはず。けど、これまでミーティングには顔を出していないんすね。だからボビーの取り巻き3人はゴードンせんせを知らない。ボビーからすれば、ゴードンせんせというのは「来ちゃったよ、ホンモノが!」という存在っすから、"うろつくだけの大御所"がついにセミナー会場に来るとなると、オブザーバー扱いっす。

もちろんゴードンせんせは亡きジョンに派遣されてボビーを観察しに来てるわけですが、劇中には、ホフマンが箱の中に『さ・ば・い・ぶ!』のパンフレットとボビーの写真などを持っている描写がある。となるとボビーをゲームに放り込んだのはホフマンだということになり、ホフマンとゴードンせんせはお互いに役割まで知っているということになります。すると、ホフマンはジルを殺しただけで逃げ切れるはずはなく、ゴードンせんせも始末しなければならないはずで、これはちょっと辻褄が合わなくなりそうっすよね。
これについては別のエントリーでまた考えることにして、話は、大トリのボビーさんに戻りますね。

ボビーを大トリにしたのには、"ジグソウ事件をもう街中が知っている"という設定で最終章を飾ろうとしたからだろうと思います。前述のとおり、『SAW IV』の時点ですでにこのアイデアはあったかもしれないし。
で、ジグソウ事件を街中が知っているよ、というあのオープニングのショーケースの公開処刑になっちゃった。
でもね、ケヴィン・グルタートよ、パトリック・メルトンよ、マーカス・ダンストンよ、おまえら、何か、まずいと思わんかね?
"You don't see anything wrong with that?"

とわたくしは強く思いますよ。
ボビーのゲームこそ、パブリックでやらなくちゃいけないんじゃないか。ボビーのゲームだけが、パブリックでやる意味があるんじゃないのかよ。
ボビーは、世界中に嘘をついた。その嘘で、不特定多数の人々から儲けようとした。街中の人に、「胸にフックが刺さっててね、鎖がついててね、闘うぞ!生き残るぞ!って思ったから、痛かったけどがんばって登って、よい人間になったのだぁーっ!本買ってね」ってありもしない嘘を言ったんすよね。
だから、それをやってみせろと。2度目なんだからやり方は知ってるだろ、みんなにお手本をみせてやれ。
これこそ、白昼、街中に見られながらやんなくちゃぁ!

後にも先にも、なにしろこれがモーレツに残念です。青年2名とギャルの恋ゲームのほうを公開処刑する意味がわからない。
『お仕置きショー』として成立するのは、ボビーのゲームなのに。
ボビーを主役に4つもトラップを仕掛けて、『SAW 7』という映画はこれで楽しもうぜということなら、街中の人に見える場所で、ケーサツが60分間手出しできない場所、60分間誰も近寄れない場所、そんな状況設定を作り出してほしかった。

もっと言うと、えー、長々と書いておいてアレですが、やっぱ公衆の面前で60分もうだうだやってたらレスキューみたいな大部隊が来ちゃって別の映画んなっちゃうので(笑)、いいや、ボビーは60秒で。あとは全部、要らねぇ(爆)。ジョイスがいたオーブンの上に取り巻き3人縛りつけて、60秒の間にボビーは自分が体験したはずのトラップに挑戦して胸筋がちぎれて、友達とかビジネスパートナーを失えばいいんです。ジョイスさんは悪い人じゃないんだし。
で、新登場のデカさんかなんかも、要らねぇ。
7年間築き上げてきたジグソウ・ワールドにまったく必要ない"新ネタ"で上映時間の大半を無駄にするより、広げた風呂敷をちゃんと片づけないといけないのに、まるでその気がないなんて、ケヴィンよ、パトリックよ、マーカスよ、おまえら、何か、まずいと思わんかね?

ということで、解読なのか愚痴なのか、とても怪しい(明白)感じになって本当に申し訳ごさいません。
さ・ば・い・ぶ!

心ゆくまでさるお、もんち!

2010年10月31日

『SAW 3D』(SAW VII) 解読1 あと2匹は誰なんだよ

さるおです。
ネタばれ記事です。ネタばれコメントも大歓迎です。これからご覧になる方は気をつけてねー。

ケヴィン・グルタート(Kevin Greutert)もそうですが、パトリック・メルトン(Patrick Melton)とマーカス・ダンストン(Marcus Dunstan)には失望しました。"きめ細かく作っているフリをしていた"ということに怒ってますよ。意味なく細かい不必要な映像やセリフが多すぎたシリーズでした、という結果になってしまいました。
惜しいとこまで来てたのに、残念っすー。決して不可能じゃないのに。SWはそれをやってのけたのに。
時間軸が整理されることはありませんでした。"something much larger"(全貌)も、見えなかった。謎は謎のまま、ただ放置されてしまいました。映画の作り手には観客の上を行ってほしいもんですが、SAWシリーズに関して言えば、作り手の役不足というか、ずいぶん下を行っちゃった感じっす。
観客のはるか上を行ったのは、リーとジェームズだけ。オリジナル『SAW』のみ。
少し溜め息が出ますよ、残念すぎて。
さるおが最終章に求めていたのは、サプライズではありません。ただ、すっきりと納得できればそれだけでよかったんです。
けどまぁ、しかたない。

まったく要らない3Dのために2200円は高い。過去6年間夢中になり続けたマニアにもそうじゃないお客さんにも、1800円でたくさんの人に観てもらえばいいじゃないか。
けどまぁ、しかたない。
公開処刑のメンバーも、ジョンの命を大切に的コンセプトから大きく外れ、小悪魔とバカ男2名という軽さ。底知れない迫力を醸し出していたジル姐さんも突然弱くなってきゃぁきゃぁ逃げるようになっちゃった。
けどまぁ、しかたない。

しかたないとあきらめた上でね、まずは感想を少し書こうと思います。"しかたない"というマイナスのスタートラインに立ったので、えー、それなりにおもしろく感じることができる(爆)という、ミラクル発動。
最終章に、初めて、いなかったのはアマンダです。アマンダ不在じゃ、何の華もねぇ。そう覚悟してたんすよ。
ところが!
ホフマンが大暴れっす。
ホフマンにアマンダの代役がつとまるかって、そんなのいかにも無理っぽい。アマンダはジョンに愛された一番弟子で、過去にはウェディングのような美しいシーンまであり、そして何より素晴らしいのは、とても感情的で、破滅型で、純粋だということ。このアマンダに敵うわけねぇ。頭脳派ではなく肉体派の"ただの"悪役ホフマンが、アマンダに敵うわけねーじゃん。
そう思っていたから、ものすごく驚きました。アマンダ不在の穴をまったく感じなかったことに。
もうね、ホフマン万歳と思いましたよ。男ホフマン、やるときゃやるぜ。男ホフマン、やけっぱちだぜ。すっかり惚れましたね。
しかも、ド派手なショーでケーサツを引きつけておいて死体袋でケーサツに忍び込むという奇跡の頭脳派っぷりまで披露して単細胞という汚名返上。おまえはハンニバル・レクターかと。
ホフマンでアマンダ不在の穴を埋めておつりが来るなんて、すげぇ!
とにかく、ホフマンに、さるおはとても満足です。
あとね、"かえし"のついた釣り針を飲まされてて、糸引っ張って取り出さないとってゆーね、しかもお静かに、あるいは永遠にお静かにという、あのゲームだけはおもしろかったっす。よく考えました。くれぐれも、ボビーさんのその他のあれこれは、目ん玉にパイプとかただの首吊りとか、歯に彫刻はねーだろとか、オーブンも2度目だし、んまー手抜きっすけど。

なので、不満は大きくどちらかと言えば怒っていますが、ま、こんなもんだろと。いいんじゃねーか、つまんなくなかったし、とね、そーゆー感じになるわけです。
さらに、過去7年間も振り回されていた無意味なディテールのことはまぁ置いといて、この1点についてだけ考えるのも楽しいじゃん、と思わせるような素晴らしいシーンがあった。それが、2匹のブタは誰か、ということっす。

そもそもこのシーンが素晴らしいかどうかというのも、んまーいろいろあるとは思う。最後って言ったのに、ちゃんと終わってないじゃーん、とか言われそうだし。このシーン(もちろん、バスルームに移り、ホフマンの生死が不明、という点も合わせて)のおかげで、『ソウ ザ・ファイナル 3D』なんておバカ丸出しのタイトルを付けてしまった日本の『SAW 7』だけが世界で唯一マヌケな映画、ということになってしまったであろうし。
けどね、ジョンの時代は終わった。
それでいいや、と思うわけで、別シリーズ(または事実上の『SAW 8』)があるかないかに関係なく、この2匹のブタが誰かを考えるのは、けっこう楽しいと思うのです。

さて、ここからがまず1つめの解読。
3匹の子豚の1匹目はゴードンせんせでした。彼は、ジョンに頼まれてブタちゃんになっているんだよね。ジルに何かあったら、自分の代わりに行動してくれ、と頼まれた。つまりゴードンせんせは、今は亡きジョンの代理です。
で、彼は片足がないっすから、やっぱ身体能力を問われるシゴトとかになるとそんなに自信はないわけです。相手が身体の小さな女子ならまぁ、ひとりでもうまくやれるかもしれない。けど、ホフマンは身体もデカイし、力もありそう。やっぱ応援を頼んだんだろうと思うんすね。
ブタ持参でよろしくねー、くらいの要請にすぐに応じてくれる人たちです。ゴードンせんせの言うことを聞いてくれる誰か。あるいは、ジョンのゲームに感謝していてジョンをそれなりに理解している誰かです。ジョンの名のもとに行動するローレンス・ゴードンに手を貸すのは、誰でしょう。
もちろんこれは、サバイバーの中から探すべきだろうと思う。で、彼らの中で明らかに"生まれ変わった"と感じているのは、わかっている範囲で、シモーヌ、マリック、ブレント、シドニー、そして名前はわかりませんが、ニュース番組で報道されていた女子です。ボビーがバーでテレビを観てビジネスの参考にした、あの人です。あるいは、ブリット、モーガンの可能性もある。で、誰を選ぶかというと、うーん、男子2名で行きたいところですが、できれば、両手両足が揃っているほうがいいでしょう。
となると、ひとりはブレントの可能性が高そうっす。もうひとりは、年齢的に、シドニーか、名前のわからない人。休む間もなくボビーという線もあるにはあるし、ダニエル・マシューズもいいっすね。

でもね、でもね、いちおう最終章なんだし、もっとステキな解読をしたい。
夢のある、ハートのある、暖かい解読がしたい。
理由は、じつは、このセリフです。
Think about everything that you've done. You think about what you promised me. Think about our dreams. You think about tomorrow.
未来を捨てそうになるアマンダに、ジョンが言ったセリフです。アマンダがリンを撃つ直前の、ジョンの懇願にも近い言葉。
自分がしてきたすべてについて考えるんだ。私と約束したことを考えてくれ。私たちの夢のことを考えてくれ。明日のことを考えるんだ。
our dreams.
また泣けてきましたが(笑)。
夢があったんすね、ジョンとアマンダには。tomorrow. 未来があったんす。
以前も書きましたが、ジョンという人物は、孤独な者の家そのものだった、そんな気がするのです。孤独なサバイバーの、疑似家族だったと思う。だから、ジョンの、家族というものへの情熱を思ったとき、3匹の子豚はこれで行こうぜと、ひらめいてしまいました。現実的ではないかもしれませんが、こうだと思いたい。あとの2匹は、アリソンとダイアナだと。(願望)
ぶはー。明るいフューチャーを感じます。(ただの願望ですが)
身長とか、辻褄合わないけど。
辻褄合わないのは、おたがいさまだし(笑)。

あるいは、アダムとタップで。
この2名についてはもういいかげんわたくしもしつこいわけですが、ハートのある終わり方だし、夢のある始まりでもある。

いやー、うーん、どっちかといえば、ゴードン家の3ブタ希望かな。

心ゆくまでさるお、もんち!

2010年10月29日

最終章『SAW 3D』(SAW VII) 完全大予想18 あまりひねりはないですが、いちおうこれで

さるおです。
結局ぜんぜん推理し終わってないという痛恨のグダグダ感を抱えたまま公開日をむかえるわけにはいかないぞ。
と、ふと思いましたので、ここで最後っ屁を出しておく。

ジルが包みを届けた相手はゴードンせんせで、このせんせが最後に"Game over."と言うでしょう。

占い師か、わたくしは(笑)。

心ゆくまでさるお、もんち!

2010年10月27日

最終章『SAW 3D』(SAW VII) 完全大予想17 ネタばれしまくりなのには理由があるはず(公開前の最後のエントリーっす、たぶん)

さるおです。
『SAW 7』は公開直前になってネタばれしまくりっすね。静止画も動画も溢れかえってんなー。これまでの6作品と比べると大サービスな気がしますが、・・・こんなもんだっけ?
さるおとしてはですね、制作者側は当然、いちばんオイシイ部分を隠してると思うわけです。現在流出しているすべては、ミスリードとは言わないけれど、とっておきのサプライズから目をそらさせるものだろうと思うわけね。おどろきは、もっと他にあると。そしてそれはアダムかタップだと。(まだ言ってる)

なので、このエントリーを書いてしまう。ということは、ネタばれ記事ですよ。究極のネタばれ個所かもしれない部分は反転文字にします。さらに、リンク先の情報(英語で書かれたとこばかりです)にもお気をつけください。ネタばれコメントは大歓迎ですので、そちらも気をつけてねー。
さて、3つのことを書きます。

1 the SELF-HELP GURU vs. the SELF-MUTILATION GURU
本日公開されたこちらの映像をご覧ください。
ほほう、やはりサイン会っすね。10月3日のエントリーで想像したとおりです。
で、このサイン会映像の出てくるタイミング(10月27日)が、ボビーのサイトやTwitterなんかと連動しているなら、サイン会は2010年10月28日(Big meeting this Thursday, hope to see everyone!)だということかもしれません(未来だけど)。木曜日に何つぶやくのか、楽しみっすねぇ!

"Your name, Sir?"
お名前は?
"John... Quite an army working for you here, don't you ? Must be spreading a pretty good word."
ジョン。人をずいぶん使っているね。よほど広めなくちゃな(いいこと書いてあるんだろうな)。
"Well we try to reach as many people as possible."
できるだけ多くの人に届けようと努力しているところですよ。
"You don't see anything wrong with that?"
何か、まずいと思わんかね?
"No, Sir, I don't."
いいえ、べつに。
"You know , history is a passion for me and in Ancient Egypt if you're speaking under oath, you will require to say 'If I'm lying, take me to the quarries'. That mean anything to you?"
歴史は大好きだ。古代エジプトでは「もし私が嘘をついているなら、私を石切り場に連れて行け」と宣誓させられた。心当たりはないか?
"No, Sir, it doesn't."
いいえ、わかりませんが。
"Well I'll tell you what it means : If you lie on the public record you subject to a period of enslavement."
なら私が教えてやろう。公の場で嘘をつけば奴隷になるというわけだ。
"What are you implying here Sir?"
何をほのめかせているのです?
"I'm not implying anything."
何もほのめかせてなどいない。
"Move along, buddy. He signed your book."
次の方がお待ちですから。(ケイルのセリフ)
"Thanks for the signature. Nice picture ... but I don't need it. We've met."
サインをどうも。よく撮れてる、私は要らんが。すでに会ってるからな。

うぉー。まさに、SELF-HELP GURU(自己救済のグル)vs. SELF-MUTILATION GURU(自己切断のグル)!
SELF-HELPは思想というか哲学というか、つまり言葉だけの感じで、SELF-MUTILATIONは実際の痛みを伴う"ホンモノ"だっちゅー、素晴らしい対比です。大コーフンっすね。火花が散ってますな、正確には火花は一方的にジョンから出てるわけですが(爆)。
ドヤ顔のポスターを背負って、ニヤケ顔のグル様が、ウキウキとサイン会なんかしてるわけです。商売にしてんのか、ふざけやがってよ。
やはりこんな感じかな。フラナリーさんの表情が、なんともバカっぽいし(笑)。

この映像で問題なのは、最後の"We've met."です。これがさらに過去を指すなら、ジョンとボビーはすでに接点があった、つまり、ボビーはゲームの生存者で、胸の傷はホンモノで、正真正銘のサバイバーだということになりそうです。
ところが、それにしちゃぁバカ面なわけですよ。言ってることも、バカっぽい。ということは、"We've met."はこのサイン会を指すんだろうと思う。ジョンは、「今ここでおまえの顔を見て、しっかりおぼえたよ」と言ったんだろうと思うのです。つまりこれは、未来の再会を指した言葉だろうと。

2 Hello, Bobby. I want to play a game.
ということで、これにつながるのでしょーか。
Hello, Bobby. I want to play a game. You once left me your signature. Today, I leave you with mine. Within the next 60 minutes, you must traverse a series of obstacles to obtain access to your wife. If you fail to reach her before the clock runs out, she will die."
(ハロー、ボビー。ゲームをしよう。おまえはかつて私にサインをくれた。今日は私がおまえにサインを残した。奥さんに会うためには、60分以内にいくつかの障害を突破しなければならない。間に合わなければ、彼女は死ぬ。)
で、ニーナ・スーザン・ケイルという一連のゲームを通過して、ジョイスを救えるかどうか、みたいなことっすね。

3 Jill's Demise(ジルの最後)
これは観てはいけない。グロいのとか、ショッキングなのを楽しみにしているのなら、これは観てはいけません。もったいないから、劇場で観たほうがいい。だから反転文字で書きますよ。
けど、さるおのように、見どころはそこだけでもないんだよなぁ、と思っているなら、後悔しないと覚悟を決めて観てください。YouTubeさんで『Saw 3D Red Band Clip 'Jill's Demise'』を。
これの最後の瞬間をね、これをとにかく観せたかったんだろ、3Dで(笑)。

あっはっはー。すげぇ。さようなら。

心ゆくまでさるお、もんち!

最終章『SAW 3D』(SAW VII) 完全大予想16 放火の裏側-4 (というか、もう間に合わないっすー)

さるおです。
えー、17日の火曜日に、Stygian通りで、火災警報が鳴ってます。マネキン工場だった建物です。
三途の川ストリートのマネキン工場がジグソウキラーのアジトだぜ、ということになってタップとシンが現場に駆けつけます。そこはたしかに、マネキン工場に見えました。ではジョンは、マネキン工場の火災報知器が鳴ってるのに、悠々と工場内でビデオ撮影してたんでしょーか。そんなのは信じがたい。逃げとけ(笑)。
タップとシンの直前の会話はこうっすね。

"Remember 118th street?"
118番通りを覚えてるか?
"Ah...K2K. That gang's territory was only about four blocks."
K2Kね。あのギャングの縄張りは4ブロック程度しかない。
"Now listen to this"
聞こえるだろ。

で、火災警報なわけです。
こーなると、三途の川ストリートと118番ストリートの位置関係を考えなくてはなりません。"the rear wing"ということは、三途の川ストリートの終わる地点が118番ストリートと接している、そんな感じか。
そして、火災報知器が作動したビルとマネキン工場と火事(放火)の現場は、ほんとに同一なのか。『SAW 7』の予告映像にはクルマ工場のようなガレージのような場所が出てきて、大爆発のシーンもあり、こりゃクルマ屋まで考えんといかんのかおい、とか、いろいろあります。
バスルームがまだ発見されていない、という整合性くらいはせめてなんとかしたかった(笑)。

などというようなことをうだうだと考え、まとめるつもりでおりました。が、ぐわぁー、もうえいががはじまってしまう。

公開前に書いておきたいことはたくさんありました。
コーベットちゃんが結局どんくらいの重要度になったかなとか、やはり片腕になったっぽいマリックも大事だろうとか、ドリル男ジェフがどんくらい出てくるかとか、ジョンとジルにはもっと秘密があったはずだよとか、ほんとにいろいろ。トロイの遺体の皮膚にジグソウピース型の切り取りがあったのはなぜか、あれが可能だったのはヘフナーさんだけかもしれず、そしてトロイの死に方が"爆死"だということも重要じゃないのか、とかね。"He's alive."(エリックは生きている)と言い当てたストラームさんの役割ももっと考えたかったし。ダニエル・マシューズのその後とか。時系列も見直したかった、おどろくような、何かが隠れてるはずだから。『SAW IV』でホフマンが廊下を歩きながら"KIRA"という人物について話していたなぁ、とか。
今ね、自分で書いた意味不明のメモを見て、04/28/06って何の日付だっけとか、6:53:29って何よとかね。

特に書きたかったのは、『SAW III』の劇中でジョンが言った、ゴードンせんせについてのこの言葉についてです。デンロン女医が"LG was your doctor."(ゴードンせんせはあなたの担当医だった)と言ったあとの、これっす。
I was his patient and he was mine.
(私は彼の患者だった、そして彼は私のものだった)

ひぇーっ。鳥肌立ちます。
それはいつからなのよ。
『SAW V』でストラームを襲ったブタマスクちゃんも片足ひきずってたように見えてしまうし。

心ゆくまでさるお、もんち!

2010年10月24日

最終章『SAW 3D』(SAW VII) 完全大予想15 ボビーのブログはすげぇ

さるおです。
セレブからたくさんのエントリーっす。ブログはこちら

シモーヌの投稿『SIX POUNDS OF FLESH』
生きる者はみな呪われたサバイバー。
このブログに記事を書くようボビーに頼まれたけど、はじめは無理だって返事しました。けど、ただ正直に書けばいいって言われて、書くことにしました。
私は自分の左腕を包丁で切り落とし、ビジネスパートナーでもある7年来の友人が頭を潰されて死ぬのを目の当たりにした。私は切り落とした自分の腕をプラスチックのシューターに入れた。それは秤の上に落ち、その後の長い長い3秒間に、私は自分の人生を思った。そう、私は、信用させてローンを組ませ、その人の人生をぶち壊してお金を巻き上げることに自分の人生を費やしてきた。人の家庭を崩壊させて、自分は稼いできたのです。
もう嫌。多くの人を傷つけてきたことを後悔しています。エディが死んだことを悔やんでいます。私の脳に焼きついたおそろしいトラウマで、毎朝、片腕で目覚めることになってしまった。
私はサバイバー。彼は私を殺さなかった。鏡を見て思うのです、まだやっていけると。6ポンド(2.7kg)は戻らないけど、もう誰も傷つけずに生きて行こう。
誰にでもチャンスは必要です。肉切り包丁だけを持って、部屋に独りきりになるチャンスが。大バカ野郎でも少しはマシになりますから。

ブレントの投稿『FLIP THE SWITCH』
僕は"死"と書いたレバーを下げた。自分のためじゃない、悪を罰するためだ。あいつのために死を選び、そして僕は新しい人生に踏み出した。
レバーを下げたとき、あいつがどう死ぬかなんて考えもしなかった。あいつは目の前で溶けていった。僕はあいつが苦しむのを見たけど、父親が死ぬのだって見たんだ。だから死を選んだ。
檻の中で目覚め、そこがどこかも、どうやって連れてこられたのかもわからなかった。本当に怖くなったのは、母が一緒だと気づいてからだ。ビデオは、ゲームのルールだった。ジグソウだ。
父が死んで、僕の世界は狭く、暗く、苛立たしくなった。死んだのではなく殺されたんだと思うと、さらにひどい気持ちになった。僕は無力で無意味で弱かった。母は自分を責めていた。僕も僕自身を責めた。父が殺されるとき、僕らはたすけてあげられなかったから。
父が殺されたことは明らかだ。そーゆーシステムなんだとか、過ちがあったと思えとか、世の中そんなもんだとか、ごちゃごちゃ言う人もいた。ウィリアム・イーストンはシステムじゃない。あいつはミスなどおかしてない。わざと作ったんだ、健康な人には害のない、父を殺すシステムを。
だからレバーを下げた。
これこそ世の中のシステムだ。悪いことをしたら、誰かを傷つけたら、何者かが必ずそいつを追い詰めてやっつける。
僕はイーストンのためにレバーを下げた。そして新しい人生を歩き出した。もう僕は無意味じゃない。
僕は生き残った。

ゴードンせんせの投稿『CUT THROUGH THE B.S.』
ボビーは独力で、真実を私たちに示しています。彼の試練は私たちの試練であり、彼の対処技能は、私たちも使い方を学ぶことができる尖ったツールのようになりました。
私自身の経験は、私を不具にし、精神を破壊しました。苦痛と変容を生む建築家 -ジグソウ- と、私は12時間も同じ部屋に横たわり、窒息するほど近くにいたわけです。しかし私たちには話す機会はなかった。唯一の対話は、私の行動と血を通してのみ行われたのです。
医師として私は、深刻な病状でも感情をまじえず、味気ない説明を患者に対してしてきました。誰だって死ぬなんて言われたくない。しかしコミュニケーションは私の仕事ではないのです。私の仕事は時間切れの患者を、切って、取り除いて、縫うこと。治らないとわかっているのに。
死ぬと言われるのがどんなものか、私にもはっきりとわかりました。どう死ぬかを告げられ、不可能な選択を与えられるということが、どーゆーことか。のこぎりを渡されて、足を切れ落とせと言われるのがどんなものか。
私はやり遂げた。生きるために。
ボビーの試練もまた生々しい。彼と一緒に、あのバスルームにいるような気さえします。私の経験を話すよりも、本物のジグソウ体験ができそうです。

シドニーの投稿『PULL THE SURVIVOR TRIGGER』
ボニー&クライド的犯罪者カップルの彼女さんが、はしごから相手を落とすゲームを通じて彼氏依存から抜け出すまでのいろいろが書いてありますが、うーん、今はシドニーさんを存じ上げないので割愛します。

タラの投稿『MY SON, MY SON』
私は息子を守らなければならない。自分自身も守らなければ。ジグソウは私たちを檻に閉じこめ、私の夫ハロルド・アボットの命を奪った男に対して生か死か選ぶように強要しました。破壊か赦しを選ぶ、そんな状況が訪れるとは夢にも思っていませんでした。あのときのことはよく覚えています。私はレバーを握った。あの男はたすけてくれと懇願しました。私は彼に死んでほしかった。ハロルドを思いました。病気になってからのこと、元気で幸せだったころのこと、22年も昔の出会ったころのこと。そしてまた目の前のあの男を見ました。復讐のために殺すことはできない。だれでも救うのに。私はあの男の死の責任を取りませんでした。私はこの男を殺さない。けれど私は、息子を止めることができませんでした。息子が見た、シリンジがあの男の身体に刺さり酸で身体が溶けていくあの光景を、息子は見なかったことにはできないのです。
錆びた檻から出て生活に戻って以来、私は息子を弁護し続けています。あの子は、殺人者ではない。あの子は父親を失った子だというだけ。安全な家庭から連れ去られ、狂人により迷路に入れられてしまったというだけなのです。教訓など存在しません。悟りなどはないのです。あるのは血と、嘆きだけ。
生存者を慰め、教え導くボビーの努力に感謝しています。彼自身も、大きなトラウマを乗り越え、プラスの力に変えてきたのです。けれど私は、罪のない人々を殺人者にする狂人には、感謝する気はありません。

心ゆくまでさるお、もんち!

2010年10月21日

最終章『SAW 3D』(SAW VII) 完全大予想14 ボビーのリハビリセミナー参加者

さるおです。
ボビーのサイト"BOBBY DAGEN - A NEW PERSPECTIVE ON LIFE"に書いてあることを読みました。こちらに詳しく書いてあります。
わかったことは、ボビーの左右の胸の傷跡はジグソウのトラップでフックで吊るされたためにできたもので、自分は生還者だと言っていること。そのゲームにより教訓を得、またそれに感謝していること。教訓を共有するためにグループセラピーを行い、他の生還者を手助けしていること。そこから学んだ教訓に基づくリハビリセミナーを主催し、正しく生きるよう促していること。新しい参加者はセミナーで、一連のシナリオによりジグソウのトラップを疑似体験すること。

次は動画を観てみます。

We shouldn't be ashamed of what we've gone through. Because we're good and we are strong! You know what? I'd like everybody to look at something. Right here.
These are my scars. Because our minds will heal, but these scars will never go away. This scar should not be a symbol of shame. It should be worn as a badge of courage.
恥ずかしがることはないんだ。私たちは善良で強いんだから!何だと思う?見せたいモノがある。ここに。
これが傷跡。 心は回復するが、この傷は消えない。この傷は恥ではない。勇気のバッジなんだ。

まさにブラボー。ゴードンせんせ、お久しぶりです、お元気ですか。
Bravo. To be able to sustain such a traumatic experience and yet find the positive in that grisly act. It's a remarkable feat indeed. Remarkable. If not a little perverse.
ブラボー。そんな忘れられない経験をしてもなお、それを前向きに捉えることができるなんて、素晴らしい。じつに顕著な功績だ。少々あやしいがな。
ははーん、せんせ、グルを値踏みしているのですか。

で、誰が受講しているのか。

13秒 おそらく義手のシモーヌ(6作目冒頭の肉切り)、隣に髪形を変えたモーガン(4作目串刺し夫婦)っぽい人。
22秒 ライアン(7作目のこぎりショーケースの青年)
24秒 これはエミリー(6作目カルーセルの生存者)かな
25秒 アディ(6作目首吊りゲームの秘書のおばさま)
31秒 拍手するゴードンせんせ、画面中央にたぶんマリック(5作目)
32秒 向かって左からニーナ(ボビーの広報)スザンヌ(ボビーの弁護士)ケイル(ボビーのマネージャー)
40秒 ジョイス(ボビーの奥さん)

ちなみに、ボビーが運営するブログ"Survivors of Jigsaw"のヘッダーの写真でも一部の参加者が確認できますよ。そして、このブログには、シモーヌ、ブレント、ゴードンせんせ、などが記事を投稿しています。ひゃぁーっ!内容はまた明日書きますね。

ジェフ(ドリル男)らしき頭(笑)も見えますが、あれー、もう少し大柄な人かな。
パメラやタラやブリットはいないのかな。ダニエル・マシューズあたりは参加してもよさそうなのに。
などなど思いつつ、6作目の登場人物が参加していることと、それからニーナ、スザンヌ、ケイル、ジョイスがみなさんお元気そうなことにより、このグループセミナーは"あの後"のできごとだということがわかります。
ボビーはかつて吊るされたことがあり、調子こいてセミナーなんぞをやっていたら、まーたゲームを4つも(ニーナ、スザンヌ、ケイル、ジョイス)やらされました、と、そんな感じっす。吊るされたのは自己申告で、こちらの写真がまぁそーゆーことなんでしょう。つまりこの写真は過去ですね。うーん、大怪我してそうなわりに、なんつーか、その、しっかりしすぎていませんか、ボビーさん。

心ゆくまでさるお、もんち!

2010年10月19日

最終章『SAW 3D』(SAW VII) 完全大予想13 ボビーのサイト"BOBBY DAGEN - A NEW PERSPECTIVE ON LIFE"に書いてあること

さるおです。
ボビーのサイト"BOBBY DAGEN - A NEW PERSPECTIVE ON LIFE"には何が書いてあるのか読んでみます。

S.U.R.V.I.V.E. - THE PROGRAM
S 新たな人生をはじめよう
U あなたが抱える問題を理解しよう
R 優先順位を考え直そう
V 献身で自分の価値を高めよう
I 中傷は無視しよう
V 愛する人を大事にしよう
E 毎日を、最後の日だと思って大事にしよう

ABOUT BOBBY DAGEN
ボビーの人生は、サバイバルと変容の、証そのもの。何の経歴もなく、愛着や人との関わりも持たず、彼は長い間、闇の中を歩いてきた。することといったら、バーで過ごすか、テレビを眺めるか、行き場もなく街を歩くか。利己的で、身勝手で、攻撃的な人間だった。
ある日彼は、目覚めて金切り声をあげた。2つのクロムフックで吊るされていたから。それはジグソウのトラップだった。容赦ない恐ろしい罠にかかり、彼の死は目前に迫っていた。
そこでボビーは決心をする。胸の肉をえぐるその金属フックよりかたい決心を。生き残ってやるぞ。そしてトラップから逃がれたとき、彼は、生まれ変わったのだ。
その後彼はトラウマに悩まされていた。立ち直るのは容易なことではなかった。それでも徐々に明らかになった、あの経験は贈り物であったと。肉体に意味はない。精神の再生だけが意味を持った。この贈り物を分かち合わなければ。彼の経験と同様の信じられない変化を体験した人々を、手助けする。そのことに彼は人生をささげた。
"S.U.R.V.I.V.E. Program"
ボビーは、私たち皆を助けるためにここにいるのだ。

SURVIVORS OF JIGSAW
生き残った人々で構成されたグループ、彼らこそがサバイブプログラムの原動力だ。ジグソウのゲームを生き延びたすべての人に、扉は開かれている。恐ろしい体験を分かち合い、なぜゲームに放り込まれたのか、どのようにして生き延びたのか、そして今私たちは何者なのか、ということを話し合う。このミーティングをとおして共感と理解と絆を育てる。
ボビーのこれらの経験と知識は、生き残りグループという枠をこえ、世界中の人々に必要とされている。

SPEAKING ENGAGEMENTS
ボビーは、サバイバルと変容の秘密を共有するため、ナショナルツアーを開催している。あなたも、ボビーや勇敢で幸運な仲間とともに、絶望に直面したときの人間の強さや恐ろしい闘いに打ち勝つ方法を学ぶことができる。
刺激的。恐ろしくもダイナミックな究極の方法。現代が抱える闇に対するまったく新しいアプローチ。暴力的で気味悪く不浄な暗黒の中から生まれる、勇気と感動。これらがキーワード!

SURVIVOR WORKSHOPS
あなたは暗く寒い部屋にひとりぼっち。たすけてくれる人はいない。あるのは痛みと苦しみだけ。恐怖が心臓をしめつける。時計は時を刻み続け、苦痛に満ちた死は目前。
これはジグソウのゲームのことではない。することをせず過ちの檻に閉じこめられた、あなたの人生のことだ。あなた自身という死のゲームから、抜け出すことはできる。ボビーのワークショップは、根本的価値を見極める、ジグソウによる変容のトラウマの心的シミュレーション。このワークショップは一連の恐ろしいシナリオを通じて、あなたの本当の姿をさらけ出させる。障害は消え、価値ある自分になる。あなたもサバイバー。暗闇から抜け出し、新しい人生をつかむのだ。
ワークショップには、いくつかのレベルがある。

CHAPTER 4
サバイバルとは、ただ生き続けることを意味するのではない。私たちの多くは死を生きている。光を失った瞳。かなわない夢。生き地獄だ。
生存とは、究極の対立であり、あなたの人生を定義する瞬間なのだ。
サバイバルは、信じられない痛みに耐えることを意味する。肉を吊るすフックはあなたの肉を引き裂き、硫酸はあなたの目を焼き、あらゆる神経をアークが燃やす。あなたのすべての誤りが、冷たいセメントの床にあなたを磔にし、あなたの全身を苦しめる。
しかしそれらの苦痛は、苦しみが頂点に達するときに耳の中に響くただひとつの啓示とくらべれば、取るに足らない。己の中で爆発する、核爆弾のような、自己発見の啓示なのだから。
私はトラップの中で目覚めたとき、金属のフックが身体に刺さっているのがわかった。そしてすぐにこう思った。誰がオレにこんなことを?なぜ?
自分の血でびっしょりだった。神経が悲鳴をあげていた。いったい誰が?
絶望という名の穴に落ちたとき、それがなぜなのか、わからない。誰かが、気の狂った誰かが、どういうわけか自分を選んでその穴に放り込んだのだ。だからこう叫ぶ。なぜオレなのか?
暗闇の中で、私の心はこの疑問を問い続け、私の身体は悲鳴をあげ続ける。たすからない。皮膚が伸びるのが見える。死が不気味に迫っている。あきらめよう。
そのとき、私は啓示を受けた。その火花が、生きる意志に点火した。それは決意の炎だった。最も苦痛に満ちた、そして本当の決意だった。
"絶望の穴を掘った邪悪な建築家は、おまえ自身だ"
そうなのだ。錆びついてひび割れた、血まみれの鏡を見ろ。埃を払い、そこに映った悪魔の顔を見ろ。それは自分自身なのだ。
"おまえを死のトラップに放り込んだジグソウは、おまえ自身だ"
はっきりさせよう。あなたは自分で人生を歩み、あなた自身の習慣に捕らわれ、あなた自身の疑念に捕らわれている。目覚めることができず、命を生きることができない、そんな牢獄に捕らわれている。人生をあたりまえだと感じ、捕らわれているのだ。
しかし今あなたには、罠から逃れ、生き延びるチャンスがある。
あなたの中のジグソウと向き合い、人生のパズルを解くのだ。

心ゆくまでさるお、もんち!

2010年10月09日

最終章『SAW 3D』(SAW VII) 完全大予想11 放火の裏側-2

さるおです。
ネタばれ記事です。ネタばれコメントも大歓迎です。これからご覧になる方は気をつけてねー。

さて、"発見されていない"ということについてもう少し考えます。
・『SAW II』の家と、『SAW V』でストラームが最後に入って行った家は、同じ家。『SAW V』の5人のひとりであるマリックが放火した建物は、この家。この家の地下に"バスルーム"がある。『SAW II』の家は発見されていない。当然、"バスルーム"も、ストラームの遺体も、発見されていない。ホフマンが隠している限りは、発見されない。
こりゃほんとかな、と。

ここではまず、『SAW V』にて、あきらめきれずに単独行動でコソコソと動き回っていたストラームさんが見ていたリストのことを思い出してみますよ。ジグソウ事件の被害者と担当警官の一覧です。

CECIL FLETCHER   FISK
MARK WILLSON   FISK
SETH BAXTER   FISK KERRY
PAUL LEAHY   HOFFMAN TAPP SING
AMANDA YOUNG   HOFFMAN TAPP SING
DONNIE GRECO   HOFFMAN TAPP SING
ADAM STANHEIGHT   FISK HOFFMAN MATTHEWS
LAWRENCE GORDON   KERRY HOFFMAN
ZEP HINDLE   KERRY MATTHEWS HOFFMAN
JEFF RIDENHOUR   FISK HOFFMEN TAPP SING
MICHAEL MARKS   KERRY HOFFMAN MATTHEWS
JONAS SINGER   HOFFMAN MATTHEWS KERRY
XAVIER CHAVEZ   FISK HOFFMAN MATTHEWS
LAURA HUNTER   KERRY HOFFMAN MATTHEWS
GUS COLYARD   FISK HOFFMAN KERRY
DANIEL MATTHEWS   FISK HOFFMAN KERRY
ADDISON CORDAY   HOFFMAN MATTHEWS KERRY
OBI TATE   MATTHEWS KERRY HOFFMAN
○○○○○   FISK KERRY HOFFMAN

複数ページありそうですが、映像で確認できるのはこれだけっすね。
アマンダ、ジェフ(ドリル男)、ダニエルの名前もあるわけで、死亡者リストではありません。
セシルもだし、アダムやゴードンせんせもだし、ゼップも、それに『SAW II』のプレイヤー全員の名前もあります。『SAW II』の家も、バスルームも、発見されてんじゃーん!ということになるわけです。

なのに、ホフマンが隠している限りは発見されないって、どーゆー意味でしょー。これはオカシイ。とてもオカシイよね。
さるおは何か見落としているんでしょーか。とてつもなく大きな、時間軸を一気にひっくり返す、何かを。

・『SAW』でタップが聞き分けた火災報知器の音。あれは『SAW V』の5人のひとりであるマリックの放火によるもの。

もしも、こちらの記事に書いた"マリックは放火で8人を焼き殺したと思っていたけれど、その8人はすでに死んでいた"、というのが当たっているなら、アマンダがヘッドギアをかぶった数日後に放火は起きたことになり、それより前に『SAW II』のゲームは終わっていて、バスルームなんかさらに大昔のできごと、ということになってしまう。
マリックが火をつけたのがあの家だなんて、どーしたって変だ。

となるとやはり燃えたのは、アートが言っていた、"低所得者40世帯が入居する予定だったビル"なんかな。かつてはジョンとアートの共同事業だった、ジョンがデザインし、ジルに譲った、ビル。
いやいや、その続きがあったんじゃないか。
ジョンが手をひいて、アートとジルがビルを完成させた。そして40世帯がそこに住んだ。ところが、その集合住宅を邪魔だと思う人間がいた。リチャード・ギブズ(Richard Gibbs)、『SAW V』のルーバのパパさんです。
あの集合住宅さえなければ、スタジアムが建設できるのにー。ええい、まだ人おるけど、かまわん、燃やしてしまえー。娘よ、建築許可を出せ。
とか。

There was eight people still living in that building!
マリックは「あの建物にはまだ8人の人が住んでたんだ!」と言っているんすよね。"住んで"いたんだから、その建物は"住居"っすよね。さらに、"まだ住んでいた"ってことは、"他にも人が住んでいたが大半は出て行ったあとで、残りが8人"という意味のように思えます。イメージでは、集合住宅。
どーだろー。

ならばマリックは、2件の放火を行ったのか。8人が生活している集合住宅と、その数年後に、8つの死体が転がっている1軒の家と。
そんな感じはしないっすよね。
マリックが燃やしたのはあの家だけなのかも。放火魔は他にもひとり登場してるわけだし。結局、マリックは、誰も殺していないような気がします。

心ゆくまでさるお、もんち!

2010年10月03日

最終章『SAW 3D』(SAW VII) 完全大予想10 ボビーさん著『S.U.R.V.I.V.E. - My Story of Overcoming JIGSAW -』

さるおです。

S.U.R.V.I.V.E .jpg

ボビーさんがいかなるグルか、わかりました。
『S.U.R.V.I.V.E. - My Story of Overcoming JIGSAW -』なる本を出したんすね。
じつは、"Overcoming"の部分が読めなくてね、最初が"O"で、最後は"g"なんだからそれは"ing"だろう、というだけで、意味合い的にも単語の輪郭的にも、きっと"Overcoming"だぜっ、ということなんですが。
"Overcoming"の意味は、打ち勝つ、克服する、(困難を)乗り越える、とかです。つまり、『さ・ば・い・ぶ!私はこうしてジグソウを克服した』という本ですな。『さ・ば・い・ぶ!』がひじょーにバカっぽいですが、ま、これはさるおのせいですのであしからず。

恐ろしいゲームを体験し心も身体も瀕死状態の生還者にとっては、なんともありがたい。同じ地獄を通り抜け、大きすぎる犠牲を払って生き延び、そして立ち直った、実在の人物。この人のところへ行こう。そりゃそー思うよな。恐怖体験を乗り越えよう、また明日から生きていこう、そのために、藁にもすがる思いでこの本の著者を頼る。そーゆーことです。

しかーし。
(勝手にジョン目線で)気に入らないっすね。
ドヤ顔のポスターを背負って、ニヤケ顔のグル様が、ドヤ顔の表紙の著書を差し出し、ペンなんか持って、こりゃサイン会ですかい。どーみても絶好調でウキウキしすぎのボビーさん。
ジョンは、商売にされるの、気に入らないだろうな、と思うのです。
それに、トラウマを乗り越えたのは素晴らしいことですが、ボビーさん、元気すぎやしませんかね。
この本が出版されたのはいつなんでしょう。ジョンが生きている時なら、ボビーさんはとんでもないリスクをおかしているように思える。だって、さるおがジョンなら、ゲームやったのにコイツ相変わらずのドヤ顔じゃねーか、ということで再ゲーム。あるいは、なんやコイツ生存者のフリしやがって、ということで初ゲーム。そんな感じになるからです。
もしもボビーが、この時点でじつはまだゲーム未経験者だとすれば(予告編を観ると『SAW 3D』(SAW VII) にボビーのゲームのシーンがあります)、ジョンが死んだからそろそろいいだろう、自分も生還者だということにしてこれを商売のネタにしよう、なんていうタイミングでしょーか。
それとも素直に、生き延びて悟ったボビーさんがゲーム後のアフターケアまで考えているだけなんでしょーか。

ボビーさん、あなたは本当に、ゲームの生存者か?

心ゆくまでさるお、もんち!

2010年09月29日

最終章『SAW 3D』(SAW VII) フルトレーラーのここが気になる!

さるおです。
しばらく前からあちこちでフルトレーラーが観られます。
観客も絶体絶命っぽく、とてもおもしろい予告編で楽しいのですが、どーしても気になるシーンがありますよ。

ofalegend.jpg

これっす。まだ元気なジョンです。
ジグソウのトレードマークといえば赤黒のフード付きマント。うーん、この衣装選びは絶妙っすね。バーガンディのシャツに黒いコートです。まだジグソウにはなってないけど、なるぞ、という匂いがする(笑)。
で、この映像にはジョンの他に2人が映っています。
暗い部屋。スタンドの明かりが点いています。デスクを挟んでジョンと向かい合っている手前の人物。黒い上着の背中の位置から、彼は立っているように見える。左手は黒い手袋に包まれて、不気味ちゃん、あんたのほうがジグソウ的だよ。何者でしょう。ジョンに、何を話しているのか。ジョンの手前に見える機械のようなモノはいったい何でしょう。
もうひとりはジョンの奥で、やはり後ろ姿の、立っている人物。錆びたメタルラックのような棚に向かって、重心を右に傾け、何かの作業をしているもよう。腰のまわりの赤いチューブは何ですか。

そして何よりもいちばん気掛かりなのは、ジョンの表情です。トビン・ベルってすげぇっすね!と感心している場合ではありませんよ。だって、ジョンが神妙な顔つきだから。
さるおがイメージしているジョン・クレイマーという人物はですね、どちらかというと、"話す人"なのです。"聞く人"ではない。会話をするときに、話す側なのですね。例えば聞く側になる場面があったとしても、達観して超然としているのがジョン。スマートな哲学者であり、教えることはあっても、教わることなんてなさそうな感じなわけです。
が、このシーンのジョンは聞く側に見えてしまうのですよ。ということは、哲学者になる前のできごと、あるいは、その瞬間なんでしょーか。
心配しているようにも見え、怖い思いをしているようにも見え、同情しているようにも見える。
あるいは、やはり、これは何か途方もなく重大な、決意の表情でしょーか。

心ゆくまでさるお、もんち!

2010年09月03日

最終章『SAW 3D』(SAW VII) 完全大予想9 放火の裏側-1

さるおです。
ネタばれ記事です。ネタばれコメントも大歓迎です。これからご覧になる方は気をつけてねー。

なぞなぞの答えを先に見てしまう。だいじょうぶ、どーせその後も考えたいことはたくさんあるから。
こちらは『SAW 7』に関する、脚本のパトリック・メルトン(Patrick Melton)のインタビューです。答えすぎじゃねーかと少し心配になる内容なので、お気をつけくださいな。

まずは、インタビューの内容を。長いので訳しませんが、要点だけです。
ちなみにこのインタビューは2010年2月8日付けです。

・ブリットとマリックが登場する。
・『SAW II』の家と、『SAW V』でストラームが最後に入って行った家は、同じ家。『SAW V』の5人のひとりであるマリックが放火した建物は、この家。この家の地下に"バスルーム"がある。この家は発見されていない。当然、"バスルーム"も、ストラームの遺体も、発見されていない。ホフマンが隠している限りは、発見されない。
・『SAW』でタップが聞き分けた火災報知器の音は、『SAW V』の5人のひとりであるマリックの放火によるもの。
・(カットされたが)、エリクソンが瀕死のブリットを見つけたとき、ブリットはエリクソンにこう言った。「あなたを知ってる。あなたと、もうひとりは捜査官で、あの火事を調査して私たち全員を逮捕しようとした」。そしてエリクソンは、ストラームが5人全員とつながっていると知った。
・ゴードンせんせの家族(アリソンとダイアナ)について語られる。

えー、最後のは放火に関係なさそうですが、大事だし、"すべて"つながっているかもしれないわけで、書いときました。

放火はいつ起きたのか。放火により、何がおきて何がおきなかったのか。誰がからんでいるのか。

まずはこれです。ブリットはエリクソンを知っていたということ。
彼女が言う"もうひとり(the other guy)"はストラームさんですね。
マリックが言った"連邦政府の役人(the feds)というのもエリクソンとストラームのはずです。
ブリットによれば、火事を調査したFBIはブリットたち全員をタイーホしようとした。ところが、マリックがこう言ってます、何も起きなかった(タイーホされなかった)と。その間に、ドラッグディーラーが消えたわけです。
唯一の証人が消えた。だからタイーホできなかった。そーゆーことでしょうか。

いやいや、そーではない。もっと裏があるはずっす。
アマンダ宛てのビデオを見ていてタップは火災報知器の音に気づいています。で、火災警報の報告はケーサツ内に記録を保管してありました。火事そのものについては、消防も、ケーサツも、そしてFBIまでも、みんなが知っている。
なのに、現場は発見されていない。
そんな話あるかー(笑)。

消防は、放火ではなく事故による火災だと嘘の報告書を作りました。犯罪でないのなら、ケーサツは無関係に思える。でも、少なくとも火事の現場はそこにあるわけです。
例えば東京都で起きた火災なら、火災現場というのは"刑事事件の現場"であり、消防だけでなくケーサツも駆けつけ、ケーサツ官はその場で直ちに焼死体を"不自然死である"と扱う決まりだそうな。そして、検視官が必ずその不自然死体の検視をして解剖が必要かどうか判断する。で、23区内であれば例外なく、この後に行政解剖して、厳密に死因が断定される、という手順らしい。焼死体は必ず解剖されるわけっすね。ここで言う死因というのは、やけどだとか、窒息だとか、一酸化炭素中毒だとか、どれだかわかんないから焼死と呼ぼうとか、そーゆー意味です。

この手順がSAWの舞台でも同じかどうかはわからない。
けどまさか、ケーサツがぜんぜん無関係ってことはないだろ。

ここで、『SAW II』の家に何体の死体があったかを考える。
『SAW II』のゲームプレイヤーは8人。そのうち、アマンダとダニエルは生き延びた。でも、地下にはゼップと、例のミイラがある。計8名。
マリックは放火で8人を焼き殺したと思っていたけれど、その8人はすでに死んでいた、ということになりそうなわけです。
解剖屋のヘフナーさんが俄然輝いてくる気がしますよNE(笑)!ヘフナーさんは、8人の焼死体を解剖した、少なくとも検死はしただろうと思うのです。
こーなると、"放火の5人とケーサツ(というか検死官)はグル"だという気がしてきます。ケーサツが放火事件を揉み消し、FBIは犯人逮捕に至らなかった。

こりゃたくさんの疑問がわいてきます。
そもそも、なぜ火災にFBIが首を突っ込んだのか。
FBIのターゲットが放火犯だったとは思えない。追っていたのは"ジグソウケース"という連続殺人事件だっただろうと思います。ジョンはFBIが捜査に乗り出したことを知っていたでしょーか。いや、知らないはずはないし、予想できないことでもない。けれどジョンは、FBIをゲームにかけてはいません。FBIの3人を葬ったのはホフマンであり、ゲームではなく殺人だった。
ジョンとFBIはつながっていたでしょーか。
ストラームが5人全員とつながっているというのは、火災を調査したというだけの意味なのか。

ケーサツ内部も複雑なことになっているかもしれんな。FBIに協力した者(ケリー)と放火を揉み消した者(ヘフナーとか)、両方が混在してたり。
すると、ドラッグ・ディーラーはザビエルとかオビとかではなくて別人で、消した(売人としてタイーホしたとか)のはケーサツだったりして?

心ゆくまでさるお、もんち!

2010年08月20日

最終章『SAW 3D』(SAW VII) 完全大予想8 ジル vs. ホフマン

さるおです。
ネタばれ記事です。ネタばれコメントも大歓迎です。これからご覧になる方は気をつけてねー。

予告編を観ると、ジル姐さんがウィトルウィウス的人体図っぽいことになって、大変なピンチです。逃げられそうもない。ホフマンが攻撃している以上、これはゲームでもテストでもなく、処刑っすよね。

ジョンのプランとホフマン自身の過失により、外堀は埋まってしまいました。
ジョンはジルに木箱を遺し、5通の封筒をホフマンに渡させ、6つめをジルに託した。5通の封筒を手に入れたホフマンは被験者を集めゲームを行い、自分もジルの手中に落ちた。
まだ生きているパメラは、自分をこんな目に遭わせ兄を殺したのがホフマンだとわかっている。そしてパメラが、これを仕組んだのはホフマンという刑事だ、とタラ&ブレント親子に話してしまえば、親子もまたホフマンと敵対するだろうと予想できる。
さらに、ジルは誰かに何かを届けた。この人物もまた、ホフマンを追うことになるかもしれない。
そして、ジェフの娘、コーベットちゃん。彼女にはすでにアマンダから情報が入っています。で、コーベットちゃんの証言が報告されれば、セスのゲームだけ違う刃物だと気づいたヘフナーさんもまた、ホフマンの敵になりうる。

ジルを殺したところで、ホフマン絶体絶命の状況は覆りそうもありません。たとえジルを殺しても終わりにはならないと、ホフマンはわかっているでしょーか。というより、ホフマンにはジルを殺すことができるんでしょーか。

I promise you, when all this is done, I will provide a way out for you.
すべてが終わったら、キミには出口を用意すると約束する。
ジョンはジルにそう言いました。逃げ道を用意する、という意味のはずです。ジルを殺すことができないという状況を作り上げた、そう思えます。で、おそらくは、ジルが誰かに届けたあの小包みが、その決定打になるはずっすよね。
でもね、ジルを殺そうが生かそうが自分はもうだめぽ、ということにホフマンが気づいていれば、結果として、どーせ逃げ切れないならせめてジルを殺してやろう、という決断になってしまいそう。

『SAW 6』のエンディングを思い出してみると、ホフマンのゲームの勝敗は、タラ&ブレント親子がもたらすものでした。
親子がウィリアムのLIVEかDIEを決断する前にジルは現場に到着し、ホフマンにヘッドギアをかぶせる。で、DIEの決断のときにヘッドギアのタイマーがカウントダウンをはじめる。ジルは、ブレントがDIEを選択するのを見届けてから「ゲームオーバー」と言っています。
ジョンは、親子がウィリアムを赦せないだろうことを予測していた。結果として、ホフマンをヘッドギアで仕留められるはずだった。ところが実際は、葬り損ねてしまいました。この時点でもう、ジルが殺される運命はほぼ決定したようなものかもしれません。
親子がウィリアムを赦した場合もまた、(これでホフマンが勝者になれるなら)ジルは無傷のホフマンに追われる立場になってしまう。
逃げ道を用意すると約束したのに、"いずれにしてもジルは死ぬ"という展開はジョンにとって、アクシデントなのか、それとも想定内なのか。

ジルにはもう出口がないのなら、こうあってほしいという願望があります。ジョンに誤算は似合わないので。
ジルの目線で彼女の人生を眺めてみる。
ジョンと一緒に都市開発の夢に向かっていた。その大きなプロジェクトの一翼を担い、クリニックを運営して人々を救おうとした。すべて順調。家庭を築こう。ところが、クリニックの患者のせいで我が子は死に、ジョンは人が変わってしまった。家庭は崩壊。もうジョンは戻ってこない。いったいどーすればいいのか。
できることをしよう。患者を救おう。医療で貢献し続けよう。
そしてあるとき、医療で人は救えないと思い知らされる。自分が見捨てた患者を救ったのは、医療ではなかった。
なんだったのさ、あたしの人生。がんばってきたのに、すべては無意味だったのか。
それなら、無意味な人生の出口から出よう。意味のあることをして、ジョンの恐ろしいリハビリの膿を清算して(ホフマンと刺し違えて)、ここから出よう。
こんな心理があるかもしれない。
それなら、最後にきっと笑うはず。あのときのジョンと同じ、恐ろしい、呪うような笑顔で。いや、死んでしまうのなら、お願い、笑ってー。

あるいは・・・
Darwin's Theory of Evolution, survival of the fittest, based on his little trip to the Galapagos. no longer applies on this planet. We have a human race that doesn't have the edge, or the will, to survive.
ダーウィンの進化論はもはや地球に適用できない。人は、生きる意志を忘れてしまった。
The jigsaw piece that I cut from my subjects was only ever meant to be a symbol that that subject was missing something. A vital piece of the human puzzle. The survival instinct.
ジグソウピースの皮膚片は、人間が失ってしまったものの象徴。生存本能だ。
The survival instinct.『SAW VI』でホフマンは、まさにこの"生存本能"を発揮したことになります。
今度はジルが、生存本能を発揮できるでしょーか。

心ゆくまでさるお、もんち!

2010年08月15日

最終章『SAW 3D』(SAW VII) 完全大予想7 SELF-HELP

さるおです。
ネタばれ記事です。ネタばれコメントも大歓迎です。これからご覧になる方は気をつけてねー。

セルフヘルプというアイデアの発端は、ジョンとボビー、どちらでしょうか。

ジョン・クレイマーのファンとして、そしてジグソウマニアとして、前者であってほしい。
息子を失い、ガンになり、保険屋はたすけてくれねーし、自殺も失敗。ちくしょうめ。こーなったら、どでかいことをやってやるぞ。自分を救えるのは自分だけ。究極の自己救済はここまで過酷だ!というジョン・オリジナルの発想がまずあり、1プレイヤーとしてボビーをゲームに放り込んだ。そしたらボビーは生き抜いた上に、自己救済の本質というものを理解した。よーし、ボビーさん、仲間になりましょう。あなたを含め、後継者がもっといたらステキだから、ゲームを生き抜いた者の中から資質のある者を選抜してください。
こーゆー話になってほしい。

でも、他の可能性もなくはない。
息子を失い、ガンになり、保険屋はたすけてくれねーし、自殺も失敗。なんてことになったら、ジョンがボビーを訪ねたかもしれないっす。
あまりの絶望に、ジョンは愚痴りにボビーを訪ねた。そしたら、「あなたを救えるのはあなただけだ。残り少ない限られた時間であっても、世のため人のためになる何かをやってみたらどうですか。人は死ぬ気になればどんなことでもできる。人生で、誰かのために何かを成し遂げるとこができたら、あなたはきっと幸せだと感じるでしょう。人はいつか死ぬんです。それまでの、自分に与えられた時間を、大切に生きる。それは素晴らしいことですよ。さぁ、あなたの時間を大事に使うんです」なんてことをぬかしやがってこのやろう。よーし、プレイヤーはおまえだ。それとも何か?口先だけか?
という話も、特に1作目のような因果応報的でステキ。
そしてゲーム後はやはり、ジョンとボビーには同じ思想を共有するようになってほしいです。

ジョンは、ジルにもそれを理解してほしかっただろうと思います。
"Cherish Your Life"をモットーとするジルのクリニックがオープンする時、ジョンは満足そうでした。が、クリニックというリハビリの方法論そのものに間違いがあることに気づく。ドラッグ中毒者に囲まれて妊婦が働くなんてキケンだろうと思っていたのに、止めなかったからギデオンが死んだ。患者は代替薬の入手場所としてジルを利用するだけで根本的なリハビリにはなってねーじゃんか。
そこでジョンは、ジルが見捨てた患者アマンダを、ジョンの方法で救ってみせるわけです。
ほらね、この娘見てよ、と。

たしかにジョンの方法論は、"理解できない"ものではない。それはリグが手に取っていた本からわかります。『SAW IV』でリッグがジルの取り調べのビデオを見ながら手に取る3冊のうちの2冊です。
『JOHN KRAMER AKA JIGSAW - IS HE THE MURDERER THE POLICE SAY HE WAS - THE BEASTS WE KNOW』というTIM BLAKEの著書と、雑誌のような『MODERN CULTURES』に組まれた特集『BEHIND VACANT EYES』『DET. ERIC MATTHEWS』『IT'A ALL IN THE TRAPS』『influential criminal masterminds』です。
これらの本は、"ジグソウキラーはジョン・クレイマーだ"ということがわかってから、リグが拉致られるまでの間、つまり2005年7月(エリック・マシューズの我慢ゲーム)から2006年2月の間に出版されているということになります。
(3冊目は『Journal of Civil Engineering』)
1冊目はタイトルから察するに、ジョンはただの殺人者だろうか、と問い掛ける内容っぽい。で、▲▲ははたしてただの■■だろうか、という場合はたいてい"■■ではない"というのが正解なわけで(笑)、少なくとも著者のティム・ブレイクさんは"殺人以上の何か"を理解したんだろうと思えるわけです。
『モダンカルチャーズ』にしても、こんなに特集組んじゃって、殺人ゲームを"カルチャー"扱いですよ。読者がいるってことっすよね。
人々は、ジョンの方法をそれなりに理解しているわけです。

思えば、アマンダの立ち位置は少し違っていました。ジョンに依存し、ジョンの海の中自己を解放しようとした。
ホフマンも違います。彼は、復讐からチームに巻き込また従者です。
ふたりとも、リハビリという観点は持っていないんすよね。
こーなると、ふたりは後継者になり得ない。ジョンはアマンダには期待をしていたと思いますが、彼女は落第してしまう。
するとやはり、セルフヘルプのグルかな、ジョンの方法論を完全に理解できるのは。"新たな恐怖の波"ということは、ボビーは第2ラウンドの仕掛け人かもしれません。ゲームを生き抜いたが何も学ばなかった者に、次の試練を与える。学ばなかった被験者は、再びゲームに放り込まれるわけです。

心ゆくまでさるお、もんち!

2010年08月11日

最終章『SAW 3D』(SAW VII) 完全大予想6 ジョンのリクルート法に関する疑問とボビーさんの役割

さるおです。
ネタばれ記事です。ネタばれコメントも大歓迎です。これからご覧になる方は気をつけてねー。

シリーズが進めば進むほどに、疑問に感じていることがあります。被験者のリクルート方法です。
ジョンはあちこちで被験者を見繕ってきてはゲームをやる。
たしかに、ひとりでやるには大規模すぎるんだけど、ゲームそのものの準備には、少なくとも2名(以上)のアシスタントがいた。エンジニアとしてのジョンの指導の元、トリッキーでよく考えられた比較的小さなマシンならアマンダが作り、大きな機械なら、大味だけれどホフマンが作れる。設置やプレイヤーの手配も、彼らアシスタントがジョン指示通りに行っています。寸暇を惜しんで身を粉にして働けば(笑)、なんとかなる(ということでしょう)。が、問題は、どのようにしてあれだけの人数のプレイヤーを見つけてくるか、ということです。

でね、ボビー・デイガンさんかな、と思ったわけです。
ボビーさんは、告解を聞き入れ、救いの道しるべを指し示す者。カウンセラーでもいいし、精神科医でもいい。
で、例えばボビーさんの職場が教会だとして、小箱の中で待っていると、「わたし、命を粗末にしているんです、わたし、罪深いんです」なんてゆー人が来る。
お、プレイヤー発見。
で、ボビーさんはジョンに電話をかけるわけですね。
「もしもしぃ、今日ひとり来ましたよ。髪の長いね、若いおねーちゃん、あの人、いいんじゃないかな、ええ」なんつって。
ジグソウ・リハビリセンターの受付係、これがボビーさんの"ヒミツ"なんじゃないか。このヒミツなら充分にダークだし。

ところが、ジョンによれば、被験者全員が、巨大パズルの中の1ピース。つまり、全員が関係者だということになる。少なくともジョンは全員を知っているということで、言い換えればジョンは、ジルのクリニックの患者だとかケーサツだとか、とにかく数珠繋ぎに知ってるやつを片っ端からゲームに放り込んできた、ということになるわけですね。
シリーズを通して、このプレイヤーをよく見つけてきたな、と思うような人はけっこういる。1作目『SAW』のマークとかポールやジェフ、もちろんアダムも、あと、目に鍵を埋め込まれた情報屋マイケルとか、刑務所大好きっ子の全身ピアス男トロイ、ブレンダやアイヴァンとか。けどまぁ、みんな数珠繋ぎ式に知ってるんだもんと言われれば、そうかな、と思うしかないわけで。
ジグソウ・リハビリセンターに必要なのは、被験者の行動パターンを調査分析するディテクティブであって、受付係じゃなさそうです。

ここまで考えて、気づきました。ジョンのリクルート法に関する疑問のだいじなとこは、これじゃない。問題は、アマンダが、どのようにしてジョン・クレイマーに辿り着いたか、ですよ!
アマンダは、あるときゲームに放り込まれた。怖い思いして、生き延びて、命の価値に気付いた。あたいは生まれ変わったんだ。今までとは違う人生を生きよう。あたいを生まれ変わらせてくれた恩人に、恩を返そう。
ここまではわかります。けど、アマンダは、いったいどうやってジョンの居場所を見つけたのか。恩人がジョン・クレイマーという人だと、どうやって知ったのだろう。
ここでボビー登場っす。
ボビーは、告解を聞き入れ、救いの道しるべを指し示す者。ゲームを生き延びた者が訪れる場所。
ボビーは、ゲームを生き延びて"生まれ変わった者"を選抜していたのではないか。
例えばボビーさんの職場が教会だとして、小箱の中で待っていると、「わたし、ゲームやったんです、そしたら、救われたんだなって気づいたんです」なんてゆー人が来る。で、ボビーさんがこう答える、「ここに行きなさい」と。
チーム・ジグソウのリクルーター。これがボビーさんの"ヒミツ"なんじゃないか。さらにダークだし、新たな恐怖の波が押し寄せそう。
弟子入りしたいと言うアマンダを、ジョンに会わせたのはボビーさん。

ならば、もしかして、ゴードンせんせもボビーを経由しただろうか。

心ゆくまでさるお、もんち!

2010年07月02日

最終章『SAW 3D』(SAW VII) 完全大予想5 ボビーさんとは何者か

さるおです。
完全大予想4の続きです。

ネタばれ記事です。ネタばれコメントも大歓迎です。これからご覧になる方は気をつけてねー。

God the Father of mercies, through the death and resurrection of his Son, has reconciled the world to Himself and sent the Holy Spirit among us for the forgiveness of sins; through the ministry of the Church may God give you pardon and peace, and I absolve you from your sins in the name of the Father, and of the Son, and of the Holy Spirit.
これはカトリックにおける"神からの赦しと和解"というやつです。
意味はこうです。
「イエスさんが死んだり復活したりみんなの分まで大変な思いをして罪をかぶったから、まぁよかろうってことになって、罪の赦しのために神様は聖霊を地上に送ってくれました。なので教会としては、父と子と精霊の御名によりてあなたの罪を赦してあげる、ということになりましたよ」
懺悔(告解)をするとこーゆーありがたいことになるわけですね。神様に謝りたいことを思い切って話すと、父と子と聖霊との御名によって赦してもらえる。
そんな都合のいい話あるか(笑)、と少し思います。
でもまぁ、ほんとはそーゆー短絡的なことでもないんだろうし、罪が罪であればあるほど言葉にするのは難しいもんだろう。
もちろんこれはカトリックに限ったことではありません。というか、キリスト教だけじゃなく、たとえば仏教にだってこの考え方はある。
さるおはクリスチャンでも仏教徒でもなく、こんなことは勉強したこともないので詳しく知らないわけですが。

さて、ジョン・クレイマーは"神からの赦し"をどう思うか。
They had to save themselves.(彼らが彼ら自身を救わなければ)、You have to save yourself.(あなたがあなたを救わなければ)、そーでなければ救われない。他人にも神様にもたよれない。自分でなんとかしなくちゃいけないんです。でなければ救いなどというものはない。それがジョンの理論です、というより真実ですね。
"父と子と精霊の名のもとにあなたの罪は赦される"なーんて発想の対極にいる男、それがジョンです。ジョンの理論には、他者による救済も、そして神様が入り込む余地もないのです。

ここで"完全大予想4"の3.について考えてみます。
3. "グル"ということは、ボビーは知る人ぞ知るセレブ。自己救済の方法を指導しているし、指導される側の"生徒"がいるはず。
"self-help"って何でしょう。これは、被害者の会とか、遺族の会とか、アルコール依存症患者の会とか、そーゆーやつのことですね。本人による本人のための自助活動のことです。ある特定の問題や困難を抱えている人たちが、自分の力でその困難を改善しようという気持ちで集まって自助活動をするわけです。体験を共有して、勇気出して痛いところを直視する、で、対等な関係でたすけ合いながら、あくまでも自発的に活動する。
ボビーさんは、そこのせんせ。

ボビーさんの立ち位置はどこでしょう。神による救済か、それともジョンの理論か。
後者っすよね。
ジョンの方法はきびしい。血を流して自分を救うか、それとも死か。
それと比べてボビーさんのはソフトだったはずです。"SAVE AS I SAVE"というほど厳しくない。けれど、自分の問題と向き合わねばならず、自分の力でそれを越えていかねばならない、という救済の"過程"は似ています。
そう、ボビーさんは、考え方としてはジョン側にいる。少なくとも、現在は。
もしボビーさんが以前から、ソフトかハードかはともかく"SAVE AS I SAVE"を実践していたなら、ゲームなどプレーしていなかったかもしれない。つまり、ボビーさんは、ゲームの勝者になったことで、セルフヘルプというものを理解したのかもしれないということです。

ジョンは周囲の人々をゲームに放り込んできました。医者、ケーサツ、弁護士、学校の先生・・・ジョンは、"人を救い導く"はずの人たちをゲームにかけてきた。医者、ケーサツ、弁護士、学校の先生・・・あとはもう、聖職者しかいませんよ。
何教かは問題じゃありません、宗派も問題じゃありません。『SAW』は宗教的な問題を言及する趣旨で作られていない。だからただ、聖職者です。
「あなたの罪を赦しましょう」と言う聖職者に、「神による救済を」と言う聖職者に、ジョンはノーと言ったのではないか。
"神の恵み"を与える"人"に、それは違うと言ったのではないか。
神ではない、おまえがおまえを救ってみろと。

ボビーは告解を聞き入れる側の人間だった(カウンセラーでもいいし、精神科医のようなものでもいいんだけど)。そしてゲームを生き延びて、本当の意味の救済に目覚めたのではないか。
さて、この大予想にはまだまだ続きがありますよ。

心ゆくまでさるお、もんち!

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